「ゲッタウェイ」(1972)

刑務所を裏取引で出所した男が、その条件として犯した銀行強盗のため妻と共に追われてしまうという物語。
主演はスティーブ・マックイーン。妻役には共演後本当にマックイーンの妻になっちゃったアリ・マッグロー。「愛とは決して後悔しないこと」で有名な映画「ある愛の詩」の可憐な女の子だった彼女ですね。

実は私、若い頃(二十歳くらいかな)スティーブ・マックイーンの顔がちょっと苦手でした。ギラギラして男くさくて、顔にきざまれた皺が苦みばしりすぎて、あまり長く見ていたいという顔じゃなかったのです。(同じ男くさい顔といっても、チャールズ・ブロンソンとかはかえって「ああいう顔」と割り切ることができたんだけど。)
でも以前偶然TVをつけたら「ゲッタウェイ」のクライマックス部分が現れて、そこで銃を撃ちまくってるマックイーンがえらくカッコよく見えたんですね。もうどうしようかと思うくらいカッコよくて、これはちょっと真面目に彼の主演映画を観るべきではないかということになって、遅ればせながら先日マックイーン特集でやってた「ゲッタウェイ」を鑑賞したのです。

で、カッコよすぎて困った(笑)。この人はすごいね。

この映画では顔がギラギラどころか場合によってはアッサリしてるくらいで、時々ジェームズ・スチュワートに見えたりもして驚いた。
アメリカ人はこういう顔が好きということでいいんでしょうか。いやまあ私も結局こういう顔は好きってことになるんだろうけど。

「ゲッタウェイ」は犯罪逃走ストーリーですが奥さんとの絆ストーリーがメインで、いやもう嫉妬の仕方とか、愛情表現とか、マックイーンの一つ一つが素敵でした。
銃の扱いは上手いし、修羅場慣れして頭も切れるけど、普段の彼は結構ヌケてておっちょこちょいだったりするんだろうなあとか、そういうところも出てたりして、最高に魅力的な主人公でした。
本当にカッコよかったなあ。

まあそれはいいんですが、この作品の最大の問題はアレでしょう。ハロルドでしょう。
本作に於けるあれの意味は一体何だ?
主人公夫婦の絆と対比させてるとか? んなバカな。

ハロルドがかわいそうすぎて、彼なんて忘れればいいのに忘れられん。
ハロルド、あまりに哀れだ……。



ラストはかなり好き。夫婦物語だからこそあのエンディングなんでしょうね。
若い恋人同士だったら多分別の終わり方で、まあその手の有名な映画は既に存在しますが、実はハッピーエンドとバッドエンドの2パターンを撮影して、高評価だった方を採用したのだそうです。で、最終的にこの結末になったのだとか。

夫婦としての辛い出来事を傷つけ合いながらも受け入れてきた二人の行く末は、このエンディングでいいんじゃないかと私も思います。
二人とも犯罪者なんだけどね。
でもこれでいいんです。
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by teri-kan | 2010-11-16 00:59 | アメリカ映画 | Comments(4)
Commented by 間諜X72 at 2017-02-20 22:13 x
>ハロルド、あまりに哀れだ……。

本当に可哀相でした・・・。
でもね。
この映画で、あの憎たらしい悪党ルディ・バトラーを演じた(アル・レッティエリ)は、この映画の3年後。1975年。心臓発作で2人の子供を残して47歳の若さで死去。
そして可哀相なハロルド・クリントンを演じたジャック・ダドスンは1994年に63歳で同じく心不全で死去。アル・レッティエリよりは長生きでした。
Commented by teri-kan at 2017-02-21 15:57
間諜X72様、こんにちは。
コメントどうもありがとうございます!

え。
47歳は早すぎです。
あんな役やるから……なんてことはないですね。
ハロルドの方も心不全ですか。
心臓は結構いらっしゃいますね。

ハロルドは本当に気の毒で、なんなんでしょうね、あれ。
ホントになんなんだとしか言いようがないです。
Commented by 間諜X72 at 2017-02-28 21:46 x
>ラストはかなり好き。

農家のオジサンがトラックに乗せて逃亡を手伝ってくれる。
それまでのバトルとは違ってほのぼのした感じで良かったです。

>ハロルドは本当に気の毒で、なんなんでしょうね

そりゃあ、自分の奥さんがあんな感じになって・・・。本当にお気の毒です。
他の映画「ダーティー・ハンター」を思い出します。

Commented by teri-kan at 2017-03-01 10:58
間諜X72様、こんにちは。

>それまでのバトルとは違ってほのぼの

よかったですよね。
すごくホッとしました。

>「ダーティー・ハンター」

この映画、知らなかったので調べてみたら、なんだかとんでもないお話だったんですけど(苦笑)!!
人間狩り?
狩る方が狩られる方に?
恐すぎます~(笑)。
絶対見れません。
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