人気ブログランキング | 話題のタグを見る

守りの美学(7/2追記)

ユーロ2012のセミファイナル、ドイツ対イタリアは2-1でイタリアが勝利しました。
コンディションの差が懸念材料でしたが、前半で2点差ついたことでイタリアが完全に主導権を握り、終了間際のPKはともかく、終わってみればいかにもなイタリアの試合だったと思います。

カテナチオ脱却が話題の今大会のイタリアですが、W杯優勝したリッピのアズーリも守る時は徹底して守りつつも、そこそこ攻撃を組み立てて攻めるチームでした。
いつまでたってもカテナチオカテナチオ、イタリアは守って守ってカウンター、と言ってる人がいますが、別に今回ガラッと変わったわけではなく、少し前から既にそうだったと思うんですよね。
ただ守備が堅いっていうのが変わってないだけで。(2010W杯は除く。)

なぜイタリアが守備が強いのか、なぜチャラいイタリア男が守備に必死になれるのか、なぜあんな色男達が皆が皆コースに体を入れてマゾっぽくボールに当たりにいけるのか、などなど、こういった疑問は結構昔から言われているのだけど、スッキリとした答えは多分いまだ出てなくて、私もいまだによくわからないのですが、でも色男が体を張る姿は超絶にカッコよく、それが中盤、最終ライン、キーパーと連動しているのだから、もうステキの一言なんですよ。イタリアの守備は色気にあふれているのです。

で、攻撃も色気にあふれてるのです。
昔からファンタジスタが愛されたお国柄で、バッジョのプレーなんかホントセクシーでしたが、今ではピルロのパスですよね。ゆるゆる中盤でパスを回しつつ、スッと「え?そこ?」といったところにボールを送る。
ドイツ戦の1点目のカッサーノも良かったですね。デカいドイツ人に囲まれつつ、ゆるゆるキープしてたかと思いきや「え?」というタイミングでヒュンッとクロスを上げ、その「え?」という瞬間に既にゴールが決まってる。
あそこだけ早送りしたかのように時間が進みましたよね。
あれは気持ちよかったなあ。

個人的にイタリアの面白いところって、攻守のスイッチの入り方、攻撃のギアの入れ方、その瞬間にあると思ってて、特に攻撃に行く時にチーム全体にスイッチが「カチッ」と入る時の一体感には感動すら覚えることがあります。
急にギアが上がるとこも良いです。ロウから4とか、時には一気にトップまで行きますが、それが特定の選手だけじゃなくチーム全体に行き渡るところがすごくて、それがセクシー守備と絡み合ってるんだから、良い時のイタリアはホントに観ていて楽しいです。

2010W杯はそんなイタリアのいいところが全くなくて、こりゃもうイタリアも終わりかと思ったのですが、どっこいやっぱりイタリアはすごくて、もうプランデッリ様様です。
戦術オタクな監督を続々輩出してる国だからか、イタリアの選手は皆戦術理解度が高いし、3バックになったり4バックになったり、今大会中もいろいろやりつつ、でもちゃんと対応できているのだからすごいです。
なんだかんだでやっぱり面白いですよねえ。
キャラも相変わらずいろいろ揃ってるし、ネガティブな話題が先行することも多いけど、間違いなく華のあるチームですよね。



ドイツは上手くなったけど個性がちょっと薄まっちゃったかな。
ドイツと言えばエッフェンベルクのような強烈な容姿と個性の人達がたくさん、というイメージが強かったのだけど、ああいう悪っぽい選手、今はあまりいないのかな。
シュバインシュタイガーの顔はあの系譜だと思うけど、全体的に好青年っぽい顔が増えましたよね。



決勝はイタリアとスペインの戦いになりましたが、予想は難しいです。
キーパーがキーになるかな。もしかしたら前回大会のようにPKになるかも。
スペインがここ数年ずっと好成績を残しているのは守備が良いからで、なんだかんだでカシージャスの存在あってこそなんですよね。バルサ型で良い攻撃してるからとか言われたりしてるけど、優勝できているのは絶対的にカシージャスのおかげなんで、決勝もそこがポイントになるかなと。
イタリアは……バロテッリが能力を発揮できるかどうかにかかってるかな。
どちらにしても良いゲームになると思います。
楽しみですね。



(追記)

予想大ハズレー。
グループリーグで既に対戦していたのがイタリアにはアダとなった?
スペインの実力はイタリアより全然上でしたー。

なーんて、試合は見てないんですけどね。
でも4-0じゃビデオ見る気も失せる……。

というわけで、さらばユーロ。
また4年後に。
名前
URL
削除用パスワード
by teri-kan | 2012-07-01 17:13 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


by teri-kan
カレンダー