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成り上がりの権力者

なんかねえ、今週の「平清盛」の清盛ねえ、実のパパもビックリのスーパー暴君でしたねえ。

こういうの見てると成り上がりが最高権力者になるのって恐いなあと思う。
生まれつきの権力者は上に立つ者としての責任を幼少時から叩き込まれるものだけど、それを教えられていない人って、上に立っても結局やりたいことだけをやるってことにしかならないのかな。アフリカやアラブの独裁者なんか典型だけどさ。

上の人がずっと同じってのは社会が硬直化するからダメで、でも上の人しか上の責任がわからないとなると簡単に上を排除すればいいって話にもならなくて、……と考えていくと、いろいろな政治体制を歴史で経験してきた日本が辿り着いた今の象徴天皇を頂く国の在り方は、もしかして結構ベストに近い形?
天皇陛下の背負ってる責任って想像を絶するくらい重いと思うし、他の誰かが担えるものでも決してないし、まあ、清盛だってとりあえず帝を奉ってはいるけど、なんていうかなー、天皇の存在って本当にユニークというか、天皇って何かをする立場ではなく天皇であること自体が仕事という、そこんところの役割の歴史的変遷みたいなものは、じっくり勉強したら面白いのかもしれないなと思います。



んで、武士の世です。
今週のタイトルは「頼朝挙兵」。
いかにも武士! 武士の時代キタキタって感じのタイトル。
真に暴力がモノを言う時代の到来です。

昨夜NHKの「歴史秘話ヒストリア」で頼朝を扱っていたんだけど、いやあ、やっぱり野蛮だわ、源氏。野蛮にもほどがある。
源氏の魂って何だよ、ただの野蛮じゃんって感じ。
北条氏はもっと野蛮だわ。つーか鎌倉武士の血みどろを観てて思ったんだけど、ローマ帝国崩壊後にゲルマン人が野蛮に活動してた頃の雰囲気になんか似てる? 兄一派だか弟一派だか、王一家が夕食をとってるところにワーッと押しかけてワーッと殺して、ワーッと王妃を塔から放り出してはるか下の川に落としたってやつ。ブルグンド族だっけ? なんかあの話を思い出しちゃったよ。
野望のためには一家皆殺しなんてへっちゃら、女子供も殺してしまえ~。
……野蛮だよねえ。

清盛は何を思って「武士の世をめざす」と言ってたのかなあ。
武士が権力層になるってこと、あまり深く考えてなかったのは確かっぽいよね。ていうか、そこまで想像することなんて無理に決まってるか。幕府の到来なんて思いもつかないし、そう考えるとこの後の歴史はすごくて、結局大政奉還まで続いたんだから、すごいですよね、武士。

武器を常時携帯している人間が支配者って思いっきり軍事国家で、フツーの一般庶民からしたら物騒極まりないです。江戸末期の土佐なんて「龍馬伝」見てたらサイテーだし、武士の世ってさ、武士の世って……なんなんだろうね。殺し合いが普通であるという社会は血なまぐさすぎですよ。殺して奪った権力は殺されて奪われるってことを何度も繰り返して、血塗られてるなあって思います。
平家は海の藻屑、源氏は頼朝の息子達を暗殺され、北条氏も最後は一族郎党自刃で滅亡。でもその中でも平家は殺して権力を奪ったわけじゃないんだよね。とりあえず清盛は合法的に(という言い方も変だけど)太政大臣になったんだ。

権力者に成り上がった後の清盛はいただけないけど、際立った悪人扱いされるのはやっぱりちょっとと思うな。
殺し殺される方がドラマチック~みたいなのって、確かに後からみたら物語的で人気出るけど、野蛮なことには変わりない。
もしかして殺して権力を簒奪していた方が清盛の人気は高かったりして? なんてことを想像してしまうくらい、武士は殺して殺されてナンボなところがあるような気がします。
確かに清盛は当事の人にも後世の人にも好かれる要因がまるでないもんね。
なんだかいろいろと損してるなと思います。
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by teri-kan | 2012-11-29 14:38 | 大河ドラマ | Comments(0)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


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