福士、すまんかった

世界陸上モスクワ大会の女子マラソンで福士が見事銅メダルに輝きました。

正直言って、「福士、すまんかった」です。
今まで全然期待していませんでした。

福士のこれまでのマラソンレースは結構見てるんだけど、失速のイメージがやっぱり強いんですよね。
世界大会は慣れてるとはいえマラソンでは初めてだし、無理なレースしないようにすればいいなあくらいに思ってたら、うん、最後まで粘れてました。
素晴らしかったですね。

日本女子マラソンの地盤沈下を救ってくれたのは福士かーと、不思議な気分です。
今回の世界陸上では3、4位に日本勢が入ったわけで、やる気になればまだまだ日本はやれるじゃんと、ちょっと気分が上昇しました。
しかも早々に中位に脱落し、先頭集団と無関係に地道にコツコツ走る、という近年の日本選手の戦い方と福士は違います。途中で離されたとはいえきちんとスピードについていったし、福士は観戦してても楽しみの持てるレースをしていました。

やっぱり一万で結果を出してる選手のマラソン転向がいいのかなあ。
完全に昔高岡が言ってた通りなんでしょうねえ。
マラソンの高速化に対応するためにはトラック仕込みのスピード勝負が出来る人じゃないと世界じゃ無理なんだろーな。

まあ身体的にも性格的にも向き不向きはあるだろうけど。
特に男子は過去の例を見てもそういう選手が結構いたような記憶が。
でも向いてないんじゃないかと思われてた福士もここまで粘れましたからね。
今はトレーニングの仕方でも、いろいろノウハウがあるんでしょうね。



これでまたマラソンが盛り上がってくれたらいいなと思います。
やはり日本人がメダルを狙うならマラソンなんですよ。
今回の福士はとてもわかりやすい良い例になったと思います。

実は3、4位を取ったとはいえ、日本の女子マラソン界は全然バラ色じゃないんですよね。
福士はもう31歳だし、木崎も28歳。
途中棄権した野口が故障がちな体で代表になってるのがそもそも如何なものかっていうくらいで、20代の選手で野口を押しのけることのできる選手が出なかったばかりか、5人枠を2人も余らせてるんだから話にならない。

その野口。
非常に残念でした。
アスリートの本能に素人があれこれ言うのはいけないんだろうけど、野口は見ていて「またどこかを悪くするんじゃないか」と思ってしまって、ものすごくハラハラします。
足を止めたり腿を叩いたりする姿が、もう痛々しすぎて見てられない。
走りたい気持ちは止められないし、実際走れたら速いのだろうけど、体を悪くしたんじゃ元も子もないし、悩ましいですね。

そういえば、マラソン選手ってそういう悲愴な感じの人が多いというか、練習がものすごくキツイというのもあるんだろうけど、「何かを背負ってる」感じの人、多いですよね。むしろそう見える選手が日本の場合はほとんどかな。
例えばメダルをとって喜びを爆発させても、その笑顔にそれまでの道のりの困難さが見て取れるというか、「苦労した甲斐があったねえ」とこちらもしみじみしてしまうような喜びの表情の選手が多いように思います。

ところが福士の場合は全然違って、特に今回スタジアムに入ってからの笑顔はすごい。
あの表情の単純明快さには福士の笑顔を見慣れた視聴者でさえ驚いたと思うんですが、福士の笑顔はホントに余計なものがなかったですね。メダリストの笑顔でこうまで重さのない明るさは滅多にお目にかかれないんじゃないかっていうくらい、それくらいそれまでの苦労の道筋が何も見えない、軽い笑顔だったんですよ。
ただただ嬉しい楽しいっていうだけの顔で、いやー、福士もこれまでさんざんマラソンでは苦労してるんだけど、それなのにこの重さのなさはなんなのか、逆にすごいなあと感心しました。

いろんな自己表現があるんだなあと、改めて思った今回の福士。
練習での彼女のことはよく知りませんが、福士はこれでいいんでしょうね。
人生の重さをレースで見せない。
これはこれでいいのだと、福士の重さのない明るさに感心した女子マラソンでした。
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by teri-kan | 2013-08-12 14:47 | スポーツ | Comments(0)
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