ミランの新監督、クラレンス・セードルフ

大変面白い記事が出ています。
ミラニスタ、オランダのファン、セードルフのファン、そしてミランの本田が気になる方は、一度目を通してみたらよいのではないでしょうか。

早熟の天才セードルフ。こんな変わり者に監督をやらせるのはミランしかない

現役時代から特異なパーソナリティを持つ選手として有名だったセードルフの、かなり詳しい人間性の歴史が書かれてあって面白いです。
セードルフ、やっぱり興味深い人ですねえ。

というわけで、ミランとセードルフとピッポとバロテッリと黒人監督の話。







ミランでの選手生活がつつがないものだったので完全に忘れていたのですが、実はセードルフのキャリアの前半は、「よく監督と揉め事を起こす厄介な選手」といった評判で満ち満ちていました。
「上手いけど性格がー」と残念な言われ方をすることが多く、彼のミラン移籍が決まった時も、「揉め事が増えるんじゃないか」と、ミラニスタの子達と心配したものでした。
ところがそれは杞憂に終わり、セードルフはあっという間にミランに順応。
さすがにセードルフもクラブを渡り歩く生活に嫌気がさして、ミランに腰を落ち着けるため自制するようになったのかなあ?なんて呑気に考えていたら、なんと、彼がミランで上手くいったのは専属のスポーツ心理学者の分析と指導の賜物だったんですねえ。
指導といってもセードルフに対してではありません。他の選手やコーチ、監督に対してであって、これは今回初めて知りました。ホント驚いたし面白かった。
で、「なるほど、だからだったのかー」と、他にもいろいろ合点がいくことがあったのです。

実はセードルフの1年前にピッポ・インザーギがミランに移籍してきてるんだけど、ピッポはセードルフ以上にミラニスタから歓迎されなかった選手で、「エゴイストだからシェフチェンコと上手くいくはずがない」「エゴイストだからチームメイトと上手くいくはずがない」「エゴイストだからチームの雰囲気が悪くなるに決まってる」と、さんざんに言われていました。
ところが、こちらもフタを開けてみれば全然そんなことはなく、むしろシェフチェンコにボールを譲ってあげるかのようなプレーまで見せて、「どうしたピッポ」「むしろそこはエゴを出して蹴れよピッポ」とか言われたりする始末。
そこまでしてミランに居場所を作りたいのか、やはりチームを渡り歩く生活は辛かったからミランに居座るためエゴを封印するのか、なんていろいろ想像してたんだけど、うん、これもドクターの指導があったんだなと思えば納得。
ピッポは見事にミランで問題を起こしませんでしたからね。スーパーエゴイストでなくなったばかりか、チームのために徹しながらもストライカーらしいエゴを忘れないバランスの良い好選手に成長。ホント、ユベントス時代の悪評がウソのようでした。

当初ミラニスタにあまり歓迎されなかったこの二人がその後もミラニスタの支持を受け続け、現役を引退してもミランの一員として指導にあたっているというのが感慨深いです。
二人共もともと人間性は良いんですよね、知性もあるし。選手時代、特にキャリアの前半の血気盛んな若い頃は周囲とぶつかりまくりましたが、才能と誤解されやすい人間性をどう馴染ませチームとしての力を高めていくか、二人のケースはミランというクラブ自体の底力の見せ所でもあったのだなと、この度の記事を読んでると思います。

今のミランでそういった面での最大の課題はバロテッリでしょう。
コントロール不能にすぐ陥るあの才能の塊をどう育てていくのか、ミランと、それ以上に新たに監督に就任したセードルフには期待したいところです。
バロテッリは自分へ向けられる非難への答えを自身が黒人であることに簡単に求めようとするところがありますが、同じ黒人であるセードルフはかつて選手時代にそれに苦言を呈した事がありました。
非常にデリケートな問題なのでセードルフも神経をつかったのではないかと思うけど、黒人の口からと白人の口からでは、同じ言葉でもバロテッリには違って聞こえるものでしょうしね。
これはどう綺麗事を言ってもそういうもんだと思うし、セードルフの言うことをバロテッリが素直に聞くことができるのなら、バロテッリの成長と共にミランの早い改善も期待できるのではないかと思います。

実はサッカーの本場欧州で、黒人選手の数と比較して黒人監督はあまりにも少ないのです。
パッと思いつくのはバルサの元監督として有名なライカールトとセクシーフットボールのフリットくらい。奇しくも共にオランダ人、ミランで大活躍したミランOBという、ほとんどセードルフと同じような人達。
でもライカールトは成功したけどフリットは監督としてはイマイチでした。セクシーフットボールという言葉だけ独り歩きした感じだったし。

一体セードルフはどんな監督になるんでしょうねえ。
本田が移籍してミランの試合が目につくようになったけど、はっきり言って今のミランは最低な状態で、本田一人がどうこうというようなレベルじゃない。
知性と理論では心配してないけど、ピッチ上にセードルフの頭の中にあるものを表現できるかどうかはまだ未知数だし、どこまでミランを立て直せるのか、気になるところであります。

本田、大変な時にミランに来てしまいましたよね。
なんとか順応してミランで輝いてもらいたいものです。
是非セードルフといい関係を築いて、クラブの躍進に貢献して下さい。
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by teri-kan | 2014-02-05 14:18 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)
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