「麗羅からの手紙」

有吉京子のバレエ漫画は「SWAN」を始め、先日書いた「SWAN白鳥の祈り」他、「ヴァルナ・コレクション」「ニジンスキー寓話」などを読みましたが、「SWAN」の次に好きなのがこの「麗羅からの手紙」。
一人の女の子がレニングラードのバレエ学校に入学してから卒業するまで、その後バレエ団の一員としてパリに行くまでを描いた作品です。

とにかく綺麗ですね。
絵が綺麗だし話が綺麗。
それと無駄がない。
ページ数としては中編といったところですが、余計なことは省いて、それぞれの人物の背景は想像で補える程度に描いて、描きすぎず端折りすぎず、ポイントを押さえた形でストーリーが展開されます。サクサク読めてストレスがたまりません。

詳しく書くとネタバレになっちゃうのですが、最後のところ、全てはアンドレイのおかげですよねえ。肝心の麗羅は朦朧となっちゃって一人じゃどうにもならないし、あの場面で内心嵐吹きまくりだったのは完全にアンドレイとリュドミラ。
リュドミラも可哀そうだったし、いやー、うーん、いやー、アンドレイ、最後の最後で株が大幅アップしましたよね。
それまでは何不自由なく育ってきた、持つもの全て持ち合わせた男の子って感じで、それが時々突っ走りすぎてしまうところが玉に瑕でしたが、最後の最後、全て持ち合わせた男の子ならではの真っ当な正義感が見ることができて、その点で読後感が爽やかでした。
シモン、一生アンドレイに足を向けて寝られませんね。
自由に行き来できるようになった暁には、是非アンドレイに会いにいってもらいたいものです。

にしても、ソ連体制下で順応できる人はいいけれど、できない人は大変だなあと改めて思わされました。
シモンはその登場の時から解き放たれたがってる子供だったので、あれはもう致し方ない。
麗羅は順応できる子ですが、最も適した場所があそこでないことは明らかだったし。



お母さんは一度でも麗羅の踊るところを見たことがあるのかな?

久々に読み返して今一番気になるのは、実はそれだったりします。
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by teri-kan | 2014-05-16 09:25 | 漫画(SWAN) | Comments(0)
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