ショパンのワルツ集
2014年 05月 19日
父所有のレコードに「ワルツ集」もあったけど、聴くのはもっぱら「前奏曲集」かバラード2番が収録されてる「ショパン・リサイタル」。
「ワルツ集」は数回程度しか聴かなかったんじゃないかな。
特にドラマチックなわけじゃないし、どれも同じに聞こえるし、綺麗は綺麗だけど、ちょっと退屈だなあと思っていたように記憶しています。
そんな私も今では年のせいかどうなのか、「ワルツいいねえ」なんて思いながらショパンのワルツ集を楽しんでいます。
ドラマチックじゃないのが精神的に良いというか、テンションが上がらなくて済むので平和。
ワルツって基本幸せな音楽なんですよね。
ショパンのワルツは短調のものはアンニュイだったりしますが、やっぱり幸せな音楽です。
どれも好きだけど、しいてあげるなら、
第2番変イ長調op.34-1「華麗なる円舞曲」
第5番変イ長調op.42「大円舞曲」
第8番変イ長調op.64-3
この3曲かな。
2番は優雅で優美。華やかです。
序奏が個人的にはちょっと笑えて、いかにも「さあ、ワルツの始まり始まり~」って感じなんですよね。寄ってらっしゃい見てらっしゃい的な。
でもすぐに優雅になって、貴族的というかサロン的というか、シルクとレースの世界になります。
この2番はコーダも良いです。
確か「トムとジェリー」でも使われていたような。
とても美しいです。
5番は流麗、かつ軽快。
緩急の妙が面白い曲で、これは当時の社交界のご婦人方も聴いてて楽しかっただろうと想像します。
ウキウキしながら聴いてたんじゃないかなあ。
とても美しいのにこんなに楽しいのだからすごいと思います。
8番は洒落た気怠さが好き。
イメージとしては当時のパリの街角。オシャレというか、センスがいいといった印象。
中間部に至る前がこれまた素敵で、私の好きなとりとめのないショパンが現れます。
ちょっと幻想っぽいかな。ワルツはワルツなんですけどね。
あ、第17番の変ホ長調もかなり好きです。
懐かしい感じがします。
メロディは子供向けピアノ曲のように平易でシンプルですが、だからこそ優しい。本当に「懐かしい」という感覚がピッタリ合います。
こういった系統の曲が自分は好きなのだなと理解した曲でもあります。
うたたね音楽というかお眠り音楽というか、昼寝に合う曲。
ちなみに聴いてるCDはカツァリス。
何度聴いても飽きません。
いい演奏だと思います。