「SWAN」ドイツ編 その2

「SWAN MAGAZINE 38 2014年冬号」を読みました。
ドイツ編、なかなか良い方向へ向かっています。
言い方変ですが、正しいバレエ漫画になってる。
「そうそう、そうこなくっちゃ」って感じで、とても楽しく読みました。








なるほど、レオンは何を踊ってもレオンになってしまうのか。
まるでキムタクが何を演じてもキムタクになるように。
って、違う。
こう書くとまるでキムタクに演技力があるようではないか。
でも力があろうがなかろうが、言われた方はこれ、結構キツイんだろうなあ。

実際のバレエの世界でこういう問題がどれだけ問題なのか、全くわからないので適当に書いちゃうけど、こういう個性って、とりあえずは重宝されるものではないのかな。特に若いダンサーに関しては。
まあレオンの場合は、彼の性格自体がそうだけど、相手に有無を言わせない何かがあるというか、何をやっても妙に説得力があるというか、良くも悪くも押しの強さがありますからねえ。それが踊りにも表れてるのかもしれないですね。
でもそういうのって天性のものだし、じゃあこれから自分を抑えますっていうわけにもいかないし、難しいですね。レオンもこれは大変だと思います。

そういえばレオンって、漫画に登場した時からそういった傾向がありましたよね?
草壁さんと葵さんについて、随分失礼なこと言ってたような記憶が。
女の添え物みたいになってておもしろくないとかそんなこと。
女性ダンサーを美しく見せるためだけなんてくそくらえ、男も自分自身を表現してなんぼ!みたいな価値観を、もともと持ってた人だったはずです、確か。

それはそれで十分アリな考え方だし、自分に自信がなければ言えない言葉だとも思うので、「ほう、レオンかっこいいじゃないか」なんて風に、これまで思ったりしてきたわけですが、しかしここにきてこういう問題が起こるとは思わなかった。
役の表現と言っても、その媒体は自分自身の体ですからねえ。
自分の肉体と精神性ありきのものではあるわけで、自分が出過ぎというのは、うーん、難しいね……。

ちょっと話が飛んじゃうけど、究極的にはレオンって他人の振り付けの中に納まりきれる人ではないのかもしれませんね。
納まりきれないし、自分でもきっと本能的に納まりたくないし、でもそんなレオンだからこそノイマイヤーの振付理念に惹かれるところがあって、もしかしたらそこは随分悩ましい問題なのかもしれない。
エドは多分違ってて、完璧な器になれるダンサーのような気がする。
振付家の思い通りに完璧に踊れる人。
完璧に踊れて、尚且つそれ以上のものも表現できるダンサー。
個人的にエドの評価がもともと高いというのもあって、彼については無条件でアゲてしまいがちなのですが、ダンサーとしての二人のタイプはそのように分けられるのではないかと思います。

と考えると、確かに振付家としてはレオンに振り付けてもおもしろくないかなあ。
未知のものを引き出したい人にとっては尚更。
出来の計算はできるから興行には向いてるけど。
なんか書いててだんだんレオンに酷いことになってるような気がするな(笑)。
つぶしのきかないアイドルダンサーの話みたいになってる。

しかしそうなると、よくまあ真澄のためとはいえレオンってば「アグリーダック」を粛々と踊ってくれたよね。
ほとんど空気の扱いだったけど。
今となっては空気だった理由もよくわかるというか、空気になるしかないというか、「アグリー」の王子とレオンって重ならないし、真澄は真澄で「パートナーは自分自身!」だし、うー、むー、そうねえ、この二人、上手くいけばとても濃い世界を作れるだろうけど、上手くいかないパターンも十分にありえる組み合わせなのかもしれない気がしてきましたね。

まあレオンの事情はともかく、確かにこれはやりにくいだろうなあと、真澄にちょっと同情する今号の展開でありました。
でも一応はっきりレオンに言い返してますからね、ウジウジグズグズしてないから、読んでるこっちとしてはストレスたまらない。
ちょっと気をとられてシドニーに指摘されちゃってますが、昔に比べたらこれでも真澄は成長してる方なんだ。
周囲から「わかりやすい、プッ」って笑われるくらい、相変わらず周りが見えてないけど、周囲のことはもともとあまり関心のない人だから、これでいいんでしょう。
もっとぶつかりあって悩めー。
レオンにも真澄にも、お互い強力な友人がついてるし、変な暴走はしないはずだしね。

ああ、でもクリスがいる……。
彼は何が望みなんでしょうねえ。
レオンを一体どうしたいのやら。

そうそう。案外エドとシドニーは話の合ういいバレエ友達になれるんじゃないかと、ちょっと今回思いました。
絶対恋人同士にはならないタイプの二人だけど、恋愛観は全く逆ながらバレエに対するスタンスは近いものがあるような気がする。プロフェッショナルという意味で。
何かの機会にでもお話する場面が出てこないかなあ。
面白そうな気がするんだけどな。



といった感じのドイツ編連載第2回目でした。
個人的に今回の展開は結構好きなので、来号が真面目に楽しみになりました。
なんか、ホントにバレエ漫画ですねえ。
王道バレエ漫画です。




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by teri-kan | 2014-12-19 16:35 | 漫画(SWAN) | Comments(0)
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