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かよわい旦那様とお妾さん

先週の「あさが来た」はいろいろ見所満載でした。(毎週満載だけど。)
なんといっても「ふらふらしてるかよわい旦那様が好きなんだす!」のセリフが素晴らしい。
親同士の決めた結婚だけど、あさにとって新次郎さんは初恋の人ですからねえ。
かよわくても旦那様が一番なんですよね。

そんなかよわい旦那様も見所満載で、あさが九州へ行ってしまうことに心底寂しそうにしてるのが印象的でした。
が、それ以上に「おおっ」と思ったのが生脚チラリズム。
和装の男性の生脚が妙に生生しく見えるのはなんなんですかね(笑)。
いや、皆が皆ってわけでもないんだけど、映画「源氏物語 千年の謎」の東山紀之や大河ドラマ「平清盛」の山本耕史とか、ある種のおみ足チラリのシーンは結構強烈なのです。
一応共通点はあって、二人ともバリバリ和装のお貴族様だったこと。
新次郎さんも肉体派とは無縁の豪商のぼんだし、そういうお方の意外なチラリが良いのかな。
後は年齢か。
皆さん男盛りの方々なので、二十代の若者のとはちょっと違いますよねえ。
まあ若者は若者でいいんですけどね。

って、脚の話じゃなくて、先週の肝はお妾さんです。
お妾さんの扱いは、今のドラマでは難しいだろうなあということ。
現代の価値観に合わないからどうしても姑が妾をすすめて悪役になってしまうのですが、そこは和気あいあいの加野屋、姑が今目線で見てただのイケズになってしまっては台無しです。
そこで要求されるのが妾をすすめるけど悪気のない天然なお姑さん像で、風吹ジュンはそれを可愛らしく演じてるんですよ。
現代と当時の常識の差をきちんと埋めていると思います。
ナレーションでも説明が入ってましたが、当時は本当に普通のことでしたからね。

家の感覚がホントに今と昔では違います。
私の知ってるお家でも、先代はお妾さんの息子だった家がありますし、迎えたお嫁さんもお妾さんのお子さんだったとか、古くから商いやってる家はそんなものだと思います。
女性が結婚することを永久就職なんて言い方を以前はしていたけれど、ホントに家って昔は会社でした。
商家なら商家、農家なら農家、生きていくためにその事業体をつぶさないことが何より大事で、だから時に妾腹の子とか養子とかが必要になる。
家を存続させるために出来の悪い実子より養子を後継者にするなんて話になると、それこそ大事なのは血統よりも家という事業体だってことになるわけで、昔のお家がドラマなんかに出る時はそこら辺を考慮に入れないと、登場人物が変な人になりかねません。

夫婦の愛を脇に追いやってる家の制度は今見ると悪いことのように思えるけど、でもこのおかげで伝統芸能や古典文化が千年たっても今に伝わってるというのはあって、職人が大事にされてるというのも、そういうのがベースにあるからだと思います。
老舗企業の数の多さも日本は図抜けてますが、そういったことをよしと思うなら、そして日本の伝統文化を誇らしく思うなら、家という制度を時代に合わないから完全になくしてしまえという風には行ってほしくないかな。
もちろん昔のままでもダメだから変化は柔軟に。
難しいことだけど、蛇の脱皮みたいに変われたらいいなあと思いますね。
田舎の土地の空白を見てると変わりつつあることは痛いほど感じるけど、上手い具合に変われるかどうかは厳しいと思うので。

というわけで、必要なのは多分「あさが来た」にも出てくる「柔らかい力」。
別に女の人だけじゃなくて、男の人の柔らかい力でもいいと思うんだよね。
かよわい旦那様の力は柔らかそうだし。
玉木の新次郎さんはホントにいろいろと見せどころだと思います。
変わる時代になぜかピッタリとはまる、良い力を発揮する旦那様になってもらいたいな。
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by teri-kan | 2015-11-09 11:53 | 朝ドラ | Comments(0)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


by teri-kan
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