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勝者のメンタリティ

“「3位でも一発逆転でチャンピオンになれる」というのはやはりサッカーの本質からはかけ離れている”
“こんな大会を続けていれば、本当の「勝者のメンタリティー」なんて身につかない”
“年間1位の広島に「真の王者の意味を証明する」という宿命まで背負わせてしまった責任は重い”

珍しく武田がいいことを言った!

武田氏「これはCSではない。最多勝ち点の広島と11点も離された3位のG大阪の試合なんだ」







武田の意見はとんちんかんなのが多いんだけど、これは正しいでしょう。
彼が現役時代のチャンピオンシップと今のチャンピオンシップでは、確かに意味合いが違います。
サッカーファンの多くが年間を通して戦うことの重要性を知っている現在、「やはりこれは「CS」ではないよ。年間最多勝ち点の広島と、そこから勝ち点で11点も離された「3位」のG大阪の試合なんだ」という武田の言葉ほどしっくりくるものはないでしょう。

実際、試合内容に熱狂しつつも、サッカーファンの見方はCSの在り方論から離れられないんだ。
「年間1位だから広島が勝った方がスッキリする」
「CSの歪さを証明するためにガンバが優勝した方がいい」
純粋に戦力を比較して「どっちが強いか」「どっちが勝つか」なんて楽しむよりも、Jリーグを批判するためにどっちが勝った方がいいとか、そんな議論が幅をきかせてたりする。
いろいろと残念な状況なのです。

世間におけるJリーグの認知度を上げるための宣伝は必要で、今回のCSはその宣伝以外の何物でもないのですが、宣伝以上に大事なことはスポーツは勝負事であり、勝負は公平に行わなければならないということなんですよね。
だから何度か遠藤が言ってるけど、「もともと3位だから失うものは何もない」という言葉は、優勝するにふさわしいものなのか?と、やはり疑問に思う。
勝ったら儲けものという立場の者が実際に勝ったとして、それで武田の言う通り勝者のメンタリティを得ることができるのかというと、かなり悩む。
ガンバは既に勝者のメンタリティを持ってるクラブなので、幸い今回はそこは問題にされないけど、「こんな大会を続けていれば」という武田の危惧はかなり正しいのではなかろうか。

槙野がCS準決勝で負けた後語っていたけど、こういう舞台で勝つためには確かに勝者のメンタリティが必要なんですよね。
しかもより上位にいる方こそに。
3位は所詮失うものは何もない気楽な立場、受けて立つ2位、あるいは1位の方こそ、その手のメンタリティを問われることになるのです。
だから、「年間1位の広島に「真の王者の意味を証明する」という宿命まで背負わせてしまった」という武田の言葉は重いんですよ。
負ければ失うものだらけの広島の背負ってる重さと、遠藤の「3位だから失うものは何もない」という言葉の軽さ。
これが同じ土俵で戦うということのミスマッチさに、Jリーグの罪深さを感じます。

試合内容が白熱してヨカッタヨカッタって言ってる場合じゃないんです。
勝ち点2位の浦和は準決勝1試合の敗戦で、勝ち点差9もありながらガンバの下の3位に置かれ、ACL本戦からの出場権を失いました。
これで来季のチーム編成やキャンプ日程等の組み直しを余儀なくされ、運悪くプレーオフに負けてACLに出られないとなったらそれこそ大損は決定的。
年間を通した戦いを無視する今のCSのやり方はクラブの体力さえ奪いかねないのです。

勝負で公平さを欠き、クラブ経営にも打撃を与えるという、日本サッカーの発展を考えれば本末転倒のCSになっているのが現状だと言えるでしょう。
今年はもうしょうがないとして、是非とも来年は大幅な改善がなされることを願わずにはいられません。
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by teri-kan | 2015-12-04 15:24 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


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