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「The Musketeers」S3E9

シーズン3、第9話です。
タイトルは「The Prize」。
ああ、なんかもう……。






(簡単なあらすじ)
王が崩御し、フランスは内戦寸前に。
ロレーヌ公と王弟オルレアン公はパリの目の前まで軍を進め、王太子は宮殿から市街へ秘密裏に避難。
陸軍卿と四銃士は内戦を回避すべく奔走する。



第9話はラストシーンに尽きるのですが、まずはその前に、冒頭の王。

さよなら王様。
なんだかんだで好きでした。
知らないままでいられたら良かったけど、そういうわけにはいかなかったね。
男として辛かったですね……と言っても、王も大概だったからなあ。
いやー、なんとも絶妙なキャラの王様でしたねえ。

倒れた王に向かって走る王妃がすごくて、「王妃様!おみ足!おみ足が丸見えになってるーっ!」と止めたくなりました。
向こうのお姫様ってダンスをするから足腰強いよね。
ものすっごい勢いで走ってたなー。

王妃を摂政から外したのは絶対和平交渉のせいですよね。
あれでまた信用を失くしちゃった。
しかも使者に使ったのがアラミスってんだから笑えない。
選んだのが陸軍卿ということで王の判断はいたってまともで、評議会が承認したのも納得。
王妃にとっては辛いけどしょうがないですね。

今回の陸軍卿の目的は、とにかく第一にパリを火の海にしないこと、殺戮の場にしないこと。第二も第三もなくて、とにかくパリを戦火から守ることが使命でした。
余裕は全くなく、非常に切羽詰まっていたために、残念ながら他は切り捨てられた感じがしないでもない。

例えば、王太子の身の安全を図るために、事情を知ってる人間を最小限に抑えたこと。
そこに親の愛情を考慮する余裕はありませんでした。
「危機だからこそ子供をそばに」と願う母の心まで配慮できなかったし、むしろ「危機だからこそ王妃として親の情を殺してくれ」とすら思ったかもしれない。
王妃の単独行動も警戒したか。
人としての当然の情を思いやれたのはアラミスだけで、そこを外していてはマズイことになるとアトスが気付けたのも随分たってからのこと。
それぞれが持つ価値観の違いが今回は行動に如実に表れました。

新鮮な苦しさを感じる第9話でしたね。
陸軍卿も含めた五人の思惑がそれぞれズレてて。
「反乱軍をパリに入れない」という同じ目標を持ちながら、優先順位が違う。
大義とは別に何に価値を置くかが五人バラバラでした。

思えばあれだけ個性の強い人達ですから、価値観も違って当然なんですよね。
でも銃士隊の中にいれば同じ目標を持って戦えた。
今回だってそれは同じ。
でも実際に物事が動くとこれまでのようにはいかなくて、今まではいろいろあっても上手くおさまっていたものが、今回は個人の努力だけでは追いつかなくなってる。
銃士隊の枠を超えた戦いになってましたね。

そういった意味で陸軍卿はポルトスを最も信用してるのかもしれないと思いました。
持ってる価値観が自分と近いというか、自分の教えを最も受け入れてる銃士という意味で。

ポルトスは多分国家に最も忠実で、最も命令に忠実だと思います、四人の中で。
それは育ち故でもあって、軍の中で一人前になったというのも大きいかなあ。
陸軍卿に対しても他の三人とは存在の大きさが違うでしょう。
父との関わりが全くなかったポルトスには、卿との関係は初めて体験する父親のような人との関係性だったでしょうしね。

そんなポルトスと比べると、アラミスは忠誠心は微妙に薄い。
そもそも彼の忠誠心は王妃にあるし。
アトスは伯爵としてあるべき国家観を叩き込まれてるようだけど、個人の感情としてどうなのかはかなり怪しい。
ダルタニアンは私達の持ってるものに近い気がする。
この社会でとりあえず幸福に育った人間が普通に国家のシステムを受け入れてる感じ。

なんていうか、その辺の四人の違いが今回は露わになったなーと感じました。
アラミスが「一人は皆のために」を問うて、でも答えは返らなかった。
ああああ~って、見ていて顔をうつむけたくなりました。
なんかこう、いろいろと来つつあるんだなあという感じです。



グリモーの仕事は早いですね。
ロレーヌ公が寝返ったとみるや、どうせ軍が使えないならと速攻公を殺しにかかった。
そしてまたまんまと逃げおおせた。
こいつの逃げ足の速さはなんなんだ。
毎度取り逃がしてキーッってなってる銃士の皆さん、もうちょっと頑張ってよー!

そして陸軍卿、というよりも隊長。
悲しすぎて言葉が……。
最後の仕事がパリを守ったことなんて、カッコよすぎて悲しすぎる。
四銃士を残して逝ってはダメだろう。
いなきゃいけない人だったのに。

……隊長がミレディに言ってたこと、どうなるのかな。
時が来たらって話だったのに、先に隊長の方がいなくなっちゃった。
なんの話か知らないけど、これでなかったことになっちゃうのかなあ。
……隊長、ううっ(涙)。



次で終わりというのが実感わかないです。
いろいろとこれまで通りにはいかないとわかってしまったけど、感情がなかなか追いつけない。



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by teri-kan | 2017-03-17 09:12 | 海外ドラマ | Comments(0)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


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