高い技術の上に芸術性は成り立つと言うけれど

先月下旬から世間と時間の感覚がズレてて、いまだにオリンピックのフィギュアスケートのことを考えてたりするのですが、ぼんやり考えているうちに、世界ジュニア選手権で女子が四回転を2種類決めた!なんてニュースが入ってきたりして、なんかもういろいろとついていくのが大変、なことになっております。

ロシアの女子は恐ろしいですねえ。







技術と芸術の兼ね合いの問題が、またまたオリンピック後に出ているわけですが、男子と女子では問題の質が違ってて、今回は特に女子の方で物議を醸しています。
まあ全ては、ザギトワのジャンプ後半集中作戦のせいなのですが。

ザギトワは曲が「ドン・キホーテ」だったので、個人的には「上手いことやったな」という印象でした。
バレエの「ドン・キホーテ」ってホントにクルクル回りまくってるから、音楽の表現としては、「その通りに振り付けていました」と言うしかない。
見ていて違和感は抱かなかったし、ただただ単純に「すごいなー」でした。
かといって、プログラム全体としてどうかと言われたら、返答に困るけど。

フィギュアのプログラムとなると、確かに微妙ですよね。
実は音楽って普通は後半になると盛り上がるようになってるので、その盛り上がる時にジャンプをバンバン飛んで盛り上がるというのは理に適っているのです。
「ドン・キホーテ」はいい例だし、もしかしたら今後はますます「前半ゆっくり、後半激しく」といった曲の編集がされるようになるのかもしれない。
でもそれがエスカレートすると、どんなことになるのやら。
フィギュアの競技で最も見せなければならないものは何か、そのためのプログラムとはどういうものか、問われてるのはそこなのかなあと思います。

本当にそうなる可能性は低いとはいえ、技術部門と芸術部門に分けたらどうかという話は、案外悪くないかもしれません。
特に男子ですね。
各種ジャンプをどれだけ完璧に跳べるか、それだけを競う種目ができても、結構おもしろいような気がします。
これならスケートの技術はあるのに音楽的感性が低い選手でも成績上位者としてスケート競技をやっていけるし。
ただ、ジャンプの出来を競うだけじゃ簡単すぎるから、コンパルソリーも追加で。
技術部門を作るなら、音楽という芸術要素を外した後に残る、あらゆるスケーティング技術を対象にしてほしい。
今の時点では全く現実味のない話だけど。

ちなみに音楽の表現ということでいうと、私が好きなのは宮原のような、腕や身体が音を奏でるようなタイプ。
宮原に比べるとザギトワは(年齢的にしょうがないけど)振りが大雑把な印象。
メドベージェワは演技力が強すぎるかなあ。
純粋に楽曲を表現するということでいうと、やはりコストナーは上手いと思います。
彼女なら標題なしの曲でもいける。

男子のメダリストは皆技術と芸術性を高いレベルで融合させてるので文句なしだけど、男子と違って女子はジャンプの技術と経験からくる芸術的表現が年齢で反比例するから、「高い技術があってこそ芸術性も深まる」という命題を永遠に成し遂げられないことになりそうな予感。
これからも15歳の子供が金メダルを取るたび問われる問題かもしれません。
ザギトワが四年後も元気でオリンピックに出てくれたらいいんですけどね。



この話題を扱ってると、いかにも冬のオリンピックだなー、という気持ちになって、実は楽しい。
フィギュアの採点でああだこうだと言い合うところまでがオリンピック。
今年は風邪で出遅れたけど、これでやっとスッキリしました。
テレビであまり観れなかったのが残念だったけど、やはりフィギュアスケートっていろいろと楽しい。




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by teri-kan | 2018-03-12 17:00 | スポーツ | Comments(8)
Commented by 柳 多久 at 2018-03-12 22:54 x
こんばんは!
コメントしすぎですね、すみません!!汗
私も宮原選手大好きです……!!
フィギュアスケートはただ好きで見ているだけで全く詳しくはないのですが、どうしても他の外国人選手はバタバタしているように見えてしまうことがあって、宮原選手が一番優雅に見えるというか……。
曲調にもよるのでしょうが……。
コストナーはそんなことないのですが、運動量が違うように思えてしまって。
メドベージェワのよさも最初はあまりわからなかったです。
というか宮原選手が好きなので点数があまり出ないのに正直もやもやする部分もありました。ジャンプの差なのでしょうが……。
宮原選手自身が充実した表情で終えられたのが本当によかったなあとそれが救いでした。
つらつらとすみませんでした!!
Commented by teri-kan at 2018-03-13 10:36
柳 多久様、こんにちは。
コメントありがとうございます。

>宮原選手が一番優雅

ホント優雅ですよね。
動きの一つ一つが丁寧で繊細で、精緻なクリスタルのようです。

宮原はジャンプの回転不足をとられがちで、オリンピックでも団体の時は私も「え?」と思いました。
あれは可哀相でしたね。
身体が小さいせいもあるけど、ジャンプ自体が小さく見えてしまうところが難しいところです。
でもフリーではきちんと跳んでて素晴らしかったです。

笑顔で終えられたのは良かったですよね。
次につながるオリンピックになって良かったなーと思いました。
Commented by まるさん at 2018-03-13 17:45 x
 世界ジュニア観ました。四回転をバカバカ決めるロシア娘にただただ、脅威を感じるだけでした。今の採点方式でいかに点を稼ぐか、という事を突き詰めた結果なんでしょうね。プログラムのバランスも何もありません。戦略としてのプログラムです。ただ、ジャンプ後半というのは、誰でも出来る芸当ではないし、高難度のジャンプを軽々と決めるのも同じ。それでも、何か割り切れないのはどうしてでしょう。

 紀平選手の演技が何となく、淡泊というか、逆にもっと勝負に拘って欲しいなと感じました。まあ、十六歳ですし、初めての選手権だから…とは思いますが。後半3-3も跳んでたけど、ただ、助走してジャンプという感じに見えました。とにかく、今までの日本にいないタイプの凄いジャンパーなので、もう少し、内因表現や美しさも演じられるタイプの選手になって欲しいなあ、と。ただ、3Aを跳ぶだけで終わってしまったら寂しいですからね。宮原さんの様な優れた表現で魅了できる先輩も同門にいる訳ですし。(全く違ったタイプの選手ですけど)

 またの更新楽しみにしています。
Commented by teri-kan at 2018-03-14 14:49
まるさん様、こんにちは。

>何か割り切れないのはどうしてでしょう

そうなのですよね。
疲れる後半にあんなに立て続けに高難度のジャンプが跳べるなんて、スポーツ競技として問題ないどころか絶賛されるべきなのに、なぜか感じるモヤモヤ感。

ザギトワの戦法が生まれてしまう背景には、女子にとって今のジャンプが優しすぎるからではないのか?という疑問が、実はちょっとしています。
例えば男子でフリーの後半に全てのジャンプを詰め込むというのはおそらく無理なわけで、それはジャンプが男子にとって負担が大きなものだからということだと思うのです。
女子は男子と比べてジャンプを跳ぶことに対するリスクが小さすぎるのではないか。
実は前々から感じていたことではあるのですが、今回の男子と女子を比較して、更に強く思うようになりました。

トリプルアクセルを跳ぶメリットが点数的にあまりないからかな?と思いますが、三回転までで満足している女子選手があまりにも多いんじゃないかと。
四回転をぴょんぴょん飛ぶ子の出現は驚きでしたが、よく考えてみたらこれで女子の方もよりスポーツ競技らしくなるかもと、内心期待は生まれています。

スポーツなのに、女子には男子よりもチャレンジの面でイマイチ燃えるものがなかったりしてたので、これからそういう方向へちょっとでも進んだらいいんじゃないかなー。
競技としての女子シングルの発展のためにも。
もちろんフィギュアなので、それプラス表現力も今以上重視で。
強欲ですが、あらゆる面での向上を期待してます。
Commented by stefanlily at 2018-03-23 17:26
こんにちは

構成が単調になってしまう傾向にありますね。

男子で4回転飛べない選手がスケーティング、芸術面に重点を置くようになるっていうかそうならざるを得ないのも。観客には受けていたし、いい内容でしたが、「うーん。ペトレンコが優勝した時のプログラムと大差ないよ」と思ってしまう。
当時、カート・ブラウニングが既に4回転跳んではいたけど試合ではなかなか決められず、オーサー氏以降、カナダ男子世界王者は五輪金メダルを取れない、というジンクスがずっと続いてますね。
教え子に取らせることで克服したけど。。。

それよりも間違った情報が多いのが。
オーサー氏の時代、3アクセル跳んでいた男子は、ボイタノとサボスチック選手でした。何なの、「ミスター3アクセル」って。
女子の4回転最初の選手もスルヤ・ボナリーだし。
また、某ブロガーさんの記述でペトレンコがロシア出身ということに。ウクライナですよー。
オールドファンとしては乖離を感じるここ数年です。。。。

Commented by teri-kan at 2018-03-25 02:03
stefanlily様、こんばんは。

おおー、ペトレンコー、王子様ー。
ソ連ならまだ間違いではないのに「ロシア」では完璧アウトですね。
ソ連末期~崩壊~ウクライナ独立の大混乱期に選手時代を過ごした彼は、その風貌と実力に加えて時代の荒波に翻弄された選手として、特別な印象を残しました。
リレハンメル金のバイウルとウクライナ人同士としてペアを滑ったのには感動したものです。
ペトレンコに関しては国籍はとてもデリケートな話題なので、できれば間違えてほしくないかなあ。

カナダの男子シングルは名選手が多く出てるけど、五輪金を逃し続けてるせいか脇役止まりの印象がありますね。
オーサーは銀が二回だったんですよね。
ブライアン・ボイタノ! いましたねー。
なつかしいですね。

いつの時代もトップ選手は技術の進化を進めていく存在ですね。
芸術面に優れた選手は技術的に少し劣っててもファンに愛されてる印象。
フィギュアは懐が深いです。
Commented by まるさん at 2018-03-25 07:32 x
 世界選手権、非常に面白い大会でした。五輪の後なので、メダリストが欠場している中、新星が現れた事、また、現在のルールの問題点が大きく浮彫になったという点で。
 日本は男子は友野、女子は樋口(やっと出て来たか~)が大ブレークしました。両方で三枠獲得! 女子は実力伯仲なので、枠は必要ですよね。

 後半ジャンプ構成でザキㇳワ自身、あれだけ転倒するとは思いもしなかったでしょう。リスキーな構成である事が改めて判りました。ミスをした時に、リカバリーが難しいですから…。
(ジャンプを跳ぶ時間が半分だから、一度ミスをすると立て直しが困難になる)

 男子は、最終グループは転倒祭り。高難度な四回転ばかりの危険性を再認識しました。特にボーヤン・ジンとビンセント・ゾウの崩れ方は、もうプログラムとしても機能していない感じでした。何本、四回転を入れたかで、プログラムの価値が決まる訳でもないのに。少なくとも、演じるという点では、友野の演技の方が贔屓目でなく、四回転に拘ってぐたぐたになった最終グループよりも迫力もあり、優れていたと思います。

 三十年以上前に、「四回転時代」が到来していたのに、その流れが一旦、切れてしまったという事なんでしょうか。
 ボイタノとオーサーの対決とか、ジャンピング・ジョーと呼ばれた四回転へのチャレンジとか、おぼろげだったのを今更さがら、思い出しました。少し、時代は下りますが、本田武史さんも素晴らしい四回転を跳んでいたのを覚えています。個性に溢れた選手も多かったし、名プログラムというのもありました。ルール改正になるらしいけど、プログラムの魅力を引き出すような改革にして欲しいです。今のままだと、本当にフィギュアが詰まらなくなりそうな気がして…。
Commented by teri-kan at 2018-03-26 12:14
まるさん様、こんにちは。

世界選手権は男子も女子もSPしか見れてなくて、後から最終結果を知ってビックリしました。
ザギトワもだけど、一番驚いたのがボーヤン・ジン。
ジャンプはある意味水物で、羽生の総合力の高さを改めて思い知らされた気分です。

四回転の歴史って振り返ればいろいろありましたね。
パッと思い浮かぶのはストイコだけど、今から思えば個人的には四回転にはそこまで熱狂してなくて、あの頃好きだったのは四回転を跳べないエルドリッジでした。
フィギュアってスポーツだけど、選手の滑り方とか身のこなし方とか、見てる側にはそっちの方こそ重要だったりして、「跳べればそれでいいのか?」という意識もどこかである。
でも跳んでくれたら嬉しい。
ファン的にはずーっとそのせめぎ合いで進んできた四回転の歴史のように思います。

なんとなく印象としては、その歴史の転換点となったのがプルシェンコ、羽生は歴史が出した一つの答え、といったイメージ。
ソルトレイクの前と後では随分違っていますよね。
ヤグディンとプルシェンコの戦いがジャンプのレベルを上げたように、女子では今やはりロシア選手同士の戦いがジャンプのレベルを上げていて、技術革新はロシアの仁義なき戦いから始まるのか?なんて気に、今はなっています。
今後どうなるのかわかりませんが、できればバランスのとれた方向に向かってほしいですね。
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