「SWAN」ドイツ編 その15
2018年 03月 16日
舞台は成功し、大団円ですね。
懐かしい顔が勢揃い。
東京国際コンクール以来かな、これだけ揃うのは。
フェルナンドさんはいないけど。
リリアナもいないけど。
エドはいるけど。
同年代にリリアナという不世出のバレリーナがいたということで、彼らはなんだかんだで彼女の影響を受けてます。
来号はその辺りのことが出るような気が。
しみじみとこれまでを振り返り、青春時代の終わりを印象付ける終わり方になるのかもしれません。
真澄は仲間内で母親になった第一号(そりゃそうだろう)だし、エドとファニーはもう既に結婚していて、草壁さんと京極さんも、ラリサとマクシムも、皆人生の次のステップに進んでるはず。
独身の仲間同士で学生の延長のように切磋琢磨し合い……というのは、もうなくなるのでしょうね。
でもダンサーとしての絆は永遠。
京極さんは満を持しての登場でした。
随分良い扱いだけど、思えば裸足のブラックスワンを見たのは、その他大勢を除けば、セルゲイエフ先生と京極さんのみ。(プリセツカヤは置いておく)
思えば全てはあそこから始まったのでした。
実は京極さんって貴重な生き証人なんですよね。
今ではすっかり影ながら見守る仏様みたいな人になってるけど、実は年はたいして違わない。
二才違いだったっけ?
次回もし真澄と京極さんの振り返りがあるなら、いろいろ語り合ってもらいたいです。
今だから話せること、なんてものがあるなら、暴露してほしい。
実は今回は「結婚出産おめでとう」の回なんだけど、驚くほどサクサクと、全く何もなく進んだので、こっちもホントにあっさりと受け止めました。
70~80年代を舞台にしたお話として、当時の日本の結婚出産観が反映されてないのはどうかな?と思ったけど。
場所はドイツで、ダンサーの世界のお話で、お母さんは駆け落ちまでした人だったけど、真澄は当時の日本で普通に育った子なんだから、妊娠した時点で結婚を思い浮かべなきゃウソかもしれないと、今更のように思ったんですよね。
二人の結婚は後のストーリーで決まってたから、こっちも「するのかしないのか」で悩むことがなかったのが大きいけど、あまりにも現在の価値観で読んでたかもしれないとちょっと思いましたです。
二人とも「オテロ」のせいでそこまで考えが回らなかったってことかな。
こっちも今更二人の結婚観の違いを戦わせる場面が見たいわけじゃないし。
でも、やっぱり「結婚しよう」は唐突だったかもしれない。
気持ち的には整っていたとはいえ、レオンがそれを決意する場面なり決意に向かう心境なりを描いていたら、もっとまとまりがよかったのではと思います。
彼はそういった形にこだわる人じゃ元々なかったしね。
……といった、(多分)最終回直前のお話でありました。
締めは「アダージェット」?
いよいよですね。
「忘れられてなかったんだー」って感動したけど、セルゲイエフ先生はもう出てきてくれないのかな(涙)。
なんだかんだで先生が一番いいキャラでした。
別の意味で葵さんもいいキャラだったけど。
次の夏号が楽しみですね。
終わるのは寂しいなあ。
(終わるよね?きっと)
NO2の悲劇、というか、京極さんは、捨石的な存在でしたね。しょっぱなから、アキレス腱切ったり。真澄は精神面では色々ありましたが、身体的には順風満帆なダンサー人生を送って来たと思いますから。
仏の心境になるまで、どんな苦しい修羅の日々を送っていた事か。そう言えば真澄は草壁飛翔にも恋してたのよね…。もう、昔の事で真澄はすっかり忘れ果てているでしょうけど。京極さんは二人の仲を疑い、苦しんだ時期もあったと思います。「森の詩」は三角関係のお話(葵さんを入れて四角関係)でした。バレエでは、僅か二、三年で完全に差を付けられて抜かれた状況、せめて、草壁夫妻は幼馴染同志の恋の成就が出来て良かったのかもしれませんね。
何となく、ですが、京極さんは野球選手で言えば、日本プロ野球で大きな功績を残したタイプ。真澄は十代からメジャーデビューしてずっとアメリカに居るタイプ。日本バレエ界としては、京極さんのタイプを求めているかもしれない。人望もありそうだし。京極さんにはSWAN本編の頃から、真澄よりも思い入れがありました。恋の悩みでふらふらしてる彼女よりも、怪我を乗り越えて生きて行く(怪我前の自分には完全に戻れない事も含めて)姿に結構共感していたんですよ。レオンの方にシフトしていった後、京極さんの出番が少なくなった事も何か、切ないなあ、と感じていましたし。
今回のドイツ編よりも、本編の想い出がどっとこみあげて、ついつい長文になってしまいました。ごめんなさい。
京極さんって実家から察するにものすごいお嬢様なんだけど、人柄は謙虚だし、実家の七光りは感じられないし、絵に描いたような素晴らしい人でしたね。
だからこそああいう役割なのでしょうが。
最高の才能と環境を与えられたからこそ、深刻な怪我も与えられた感じがします。
真澄とは正反対ですね。
野球のたとえは成程といいますか、地元密着という意味で、日本のバレエ界にわかりやすく貢献してるのは、確かに京極さんの方ですね。
真澄って完全な一匹狼タイプで、だからこそレオンと上手くいってるのだろうけど、日本のしがらみの中で上手く立ち回れるとはあまり思えないし、結局はそれぞれに合った道に進んだってことなのでしょう。
京極さんのバレエ人生に焦点を当てるのも面白そうな気がしてきました。
後々は協会の重鎮とか?
草壁夫妻の足跡も出来ればたどってほしいと思います。
本編のお話は大歓迎です。
本編あってのドイツ編ですしね!
真澄が出産後に、思った以上に身体が戻らずに苦労をして行く所を見たかったのですが、それは有吉先生の中ではそれほど書きたいという思いはなかったのでしょうね。
次号がドイツ編の最後なら、今回のこの話は『まいあ』に続くために終わりなのかな。
『まいあ』『モスクワ編』が4巻ずつで、先日発行された『ドイツ編』が3巻なので、それぞれの舞台背景が4巻で終わるのだと考えて、コミック本にしてドイツ編4になるのに合わせたような気がしてしまいました。
『まいあ』第二部の話もそれはそれで楽しみだけど、私の中では「SWAN」は本編の登場人物が出て来るお話の方が読みたい気持ちがあります。
>真澄が出産後に、思った以上に身体が戻らずに苦労をして行く所を見たかったのですが
おそらく、そういうのは作者にとって真澄のテーマじゃないんでしょうね。
本編から一貫してそうだったので、個人的にはオテロ後のサクサク感も違和感はありませんでしたが、あまりにサクサク進んだので、ホントはっきりしてるなあと感心しました。
そういったところは、本当にバレエだけのマンガだなと思います。
バレエ以外のものに影響されないバレエマンガ。
そして私は「SWAN」のそういうところを実は好んでいました。
だからこの年齢のこの時期に妊娠があったことの方が許せない(苦笑)。
多分この辺りは人によって読み方も様々なのだろうと思います。
>本編の登場人物が出て来るお話の方が読みたい気持ちがあります。
私も同じです。
思い入れが違いますもんね。