「論理は右手に」

フレッド・ヴァルガス著、創元推理文庫。
「三聖人」シリーズの第二弾。

新たなメインキャラの登場で、ストーリーも一作目とは違う展開を見せます。







新たなキャラというより、もはや聖人に取って代わった主人公?
三聖人はそもそも事件・事故の調査とは無縁の歴史学者。
前回のように隣家が舞台だと頑張らざるをえないけど、よそで起こった事件にわざわざ首を突っ込む義理はない。
同居してる聖マルコのおじさんは元警察官だけど、聖人達にあーだこーだ言うだけの、基本的に引退した老いたおじさんだし、どうしても彼らと事件を結びつける人物が必要。

というわけで、出てきたのが、これまた一癖も二癖もある五十歳。
読む限り良い顔なのかそうでないのか、男ぶりが良いのか悪いのか、なんかよくわからない人で、元内務省調査員という、これまたすごいのかどうなのかよくわからない肩書の人。
やってることは現役調査員みたいなことだけど、でもやっぱり引退してる人。

そして内務省の調査員ってのはこんななのか!って感心するくらい、目端のきく人というか、観察眼がすごい人。記憶力もいい。
そして粘る。
これくらい執念深くないとできない仕事なのかね?ってくらい、ねばねばに粘る。
まあ、なぜ彼がこれほど粘るのか、執念深く仕事をするのか、その理由はストーリーの中で明らかになるんだけど。
あまりにも突然に、あまりにも「え?それだけで長編小説ができない?」ってくらいの濃い内容の理由。
いろいろあるお話でしたねえ。

のんびり進んでるかと思いきや、いきなり濁流になるんですよね、この作者。
そのいきなり加減は、結構面白い。

で、この新たな人物ルイと、そうは言ってもやっぱりシリーズの主人公である聖マルコの関係がとても良くて、これはなんなんですかね。
五十歳と三十六歳という、一回り以上も違う組み合わせなんだけど、会話がかなり笑える。
聖マルコはやっぱちょっと変わってるんだな。
ルイとの会話、どれだけ真面目に言ってるのか、判断付きかねるところがまた面白い。
で、ルイの口癖が突拍子もないところで出てくるのが面白い。
「ビールが飲みたい」は良かったですねえ。



……といった感じの第二弾です。
事件の内容については、犬のフンから出てきた人骨から始まる、とだけ。
よくここから事件を暴いたなあと、ルイの観察眼に感嘆。

いや、ルイと言うとちょっとピンとこないな。
ケルヴェレールと言う方が本人に合う。
でもこの姓は言いにくくて覚えにくいんだ。
マルコの姓もヴァンドスレールという、これまた言いにくいものなんだけど、二人とも純フランス由来の姓じゃないんだよね。

第一作目もそうだったけど、フランスに住む人達の出身国のごちゃまぜ感がホントに普通にあるフランスです。




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by teri-kan | 2018-05-11 10:46 | | Comments(0)
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