過去の嫌な話と現在の嫌な話

たくさん犠牲者が出た場合の素朴な疑問と現在のこと。
(原爆の話です)







母の実家は広島市の郊外にあるのですが、原爆による被害は幸い全くありませんでした。
しかし投下後何日だかわかりませんが、地域の大人が日中こぞってどこかへいなくなるということが数日続いたそうです。
「子供は絶対ついてくるな」と言い残して。

当時母の姉である伯母は小学校低学年生で、そんな風に言われたらかえって行きたいと思ってしまうお年頃。
なので友達と一緒にこっそり後をつけて、近所の大人が大勢で何をやっているか見に行ったのだそうです。

そして川の向こうに目にした光景が、原爆で死んだ人間の山。
それを大人達が運んでは焼き、運んでは焼き、をやっているところでした。
伯母のショックは筆舌に尽くし難いものだったそうです。
今もあの時の感情をなんと言ったらいいのかわからないと言っていました。

近所の小学校の教室は原爆による負傷者でいっぱいだったそうです。
その方達も多くが程なくして亡くなったでしょう。
他の方の証言も読んだことがあるのですが、当時旧広島市周辺はあちこち同じような状況だったと思われ、私が聞いた話では呉市(七月の豪雨災害があった所)の小学校までそうでした。
広島湾にある似島については詳細な記録が残っていますが、そこも含めて周辺の人達総出で遺体を市街地から運び出し、燃やし、骨を山へ運んで埋め、また遺体を運び、燃やし、骨を埋め、を繰り返して、初期の十万ともいわれる大量の死者をなんとか土に還してあげたのだと思います。

伯母からこの話を聞いた時に思ったことは、身内で被爆した人はいなかったけどみんな大変だったのだなということと、一口に遺体を処理するといっても数が多いととんでもないなということでした。
そして、十万ほどの広島の人達を土に還すだけでこれだけの労力がかかったのなら、南京大虐殺の三十万人は一体どうやって処理したのだろうか、ということでした。

広島の原爆による死者数は2~4か月で9万~16万6000人とウィキにはありますが、爆心地にいた方は完全に蒸発しているので焼く必要はありません。
初期に亡くなった方もほとんど火傷ですので、嫌な話ですがおそらく火葬はしやすかったのではと思います。

翻って南京の方は銃や日本刀で殺されたと言われてますから、遺体は水分が多く燃やすには時間がかかったでしょう。
また、そのまま土に埋めるなら骨とは比較にならない大きな穴を掘る必要があります。
何にしても大変な労力が必要になるわけで、となると一体それは誰がやるのかという話になるのですが、これは広島の例をとるまでもなく、南京とその周辺の住民がやらなければとうてい追いつくはずがありません。
なにしろ広島の三倍の死者数なのですから。
ほったらかせば衛生上大変なことになりますから、やはり焼いて埋めるなりそのまま埋めるなりを住人がやったはずです。

でも、それって想像してみても難しいんですよね。
広島は一瞬でしたし、アメリカにやりかえすことなどやりたくても出来なかったし、とにかく目の前の負傷者と死者をなんとかするしかありませんでしたが、南京は一ヶ月半とか二ヶ月とか言われてますからね。
その間現地の住民が唯々諾々とひたすら殺され、唯々諾々とひたすら穴を掘り、そんな三十万人の死者プラス穴を掘って埋める人達を現地の日本兵だけで全てを見張って管理したとか、申し訳ないけど全然現実的とは思えないんです。
一人も殺してないと言うつもりはないけど、さすがに人数は違うんじゃないの?って感じなのです。

三十万の遺体はこういう処理をした、子供の頃に親が遺体処理に駆り出された、友達の誰々さんとどこそこで一緒に見た、などと言った証言が矛盾なく複数聞ければいいんですよね。
三十万ですからあるはずなんですよ、広島以上に。
声高に訴えているのだから、その裏付けとしての証言と資料がたくさん存在してなければいけないのですが、不勉強で申し訳ないんだけど、一体その辺どうなってるんでしょうね。
三十万って一言で言うけどとてつもないですよ?

大雑把な計算だけど、この犠牲者数って広島と長崎の原爆の死者数と、東京大空襲の死者数を合わせたくらいの数なんです。
自国の独裁政府ではない外国の軍が三十万人を殺そうと思ったら、単純に原爆2発と東京大空襲で使用した程度の物量が必要になるのです。
あの大空襲で使ったアメリカ軍の爆弾、焼夷弾、爆撃機とその燃料、パイロットの数、すごいですよ?
あれを思うとどう考えても当時の日本にそこまで大人数を殺せる能力はなかったと思うんです。

現代でも数十人・数百人の虐殺という事件では、教会等に住民を押し込めて火にかけたという話が多いと思うのですが、多分焼き殺すのが一番手っ取り早いんですよね。
十万個も二十万個も銃弾を使うより、刀を血でさびつかせるより、人数を多く稼ぐならまとめて焼き殺すのが早い。
でも南京でそういった話はないようだから、やっぱり信憑性といったところで疑問が出てくるんですよね……。

……という、デリケートすぎる話題について書いてみました。



身内が体験したこと等と比較して「どうなんだろうなあ」という素朴な疑問なので、これをもってして「反省してない」「右傾化してる」と言われるのは本意ではありません。
そういう違和感が取り除かれなければ、ただ数だけ言われてもピンとこないという話です。
国のスケールが違いすぎるのでこの感覚があっちで通用するかどうかもわかりません。
現在ウイグル人が中国当局の強制収容施設に拘束されている件が国際的に大問題になっていますが、その人数が100万人と言われてますからね。
大陸の数字は小さい島国の人間にはついていけません。

ちなみに、原爆による死に方についていえば、耐え難い苦しみの中で死んでいった人達に比べれば、一瞬で蒸発した人はまだしも楽で良かったかもと思えるのですが、跡形もなく存在をなくすという所業は、命あるものに対する最大の冒涜だと考えます。
きちんとお墓に埋葬され社会の中に残るのでなければ、せめて骨一片でも肉の一塊でも土に還るなり海に戻るなりして、この世の生命の循環の中に留まってほしいと、それがこの世にその人が存在していた証になると、いち人間としては思うわけですが、それができず完全に消滅してしまった人って有史以来原爆で殺された人以外に誰かいる?
灰にもなれなかったんですよ?

核兵器って人間の手に余り過ぎる代物なんですよね。
人間を無に帰すことができるのは無から人間を創り上げた神にしかできないもので、どうやら核を持った国は神の気分にでもなれるらしい。
核保有国はアメリカのみならずどこも傍若無人だけど、その傲慢さが核兵器からきているのならこれほど罪深いことはない。
せめて「持っているのが申し訳ない」くらいの態度でいればいいのに。

先日から某国の有名アイドルが原爆投下を肯定するTシャツを着た件で問題になっていますが、何が残念といって、彼らも彼らを擁護する人達も、理由があれば原爆投下を肯定することもアリという認識でいるらしいことです。
本人の弁解も出ないままに擁護するというのはそういうことでしょう。
あれだけの大量破壊兵器がそんな扱いをされるのかと愕然としてますよ。
日本人でさえ原爆をここまで軽く扱うなら、なるほど、核の否定どころか核廃絶なんて夢のまた夢と思わざるをえません。

せめて原爆投下という民間人大量虐殺を自分の主義主張をアピールするための道具にするのはやめてもらいたいのだけど、それすら期待できないのなら、やっぱり先は暗いのでしょうね。




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by teri-kan | 2018-11-12 15:25 | 事件・出来事 | Comments(2)
Commented at 2018-11-14 22:08
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by teri-kan at 2018-11-16 00:19
22:08様
コメントありがとうございます。

普段から基地と付き合いがある方は色々な思いがあると推察します。
ある意味最前線ですよね。
戦争に負けたことを普段の生活で感じることはこちらではほぼありませんが、やはり基地ではありますよね……。

MLBの選手の件は即座に自分の口で謝っただけマシかなと。
某アイドルのTシャツについては、本人のコンサートでのコメントに唖然とさせられました。
本人的にはあれだけで終わらせるつもりでしょ?
その程度で国連であんなコメント出してたのかって感じ。
ちぐはぐさが大きいグループですね。
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