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「勇将ジェラールの回想」

コナン・ドイル著、上野景福訳。
創元推理文庫。

コナン・ドイルによるフランスを舞台にした小説。
ナポレオン時代の軍人ジェラールの冒険譚で、八つのエピソードが回想形式で描かれています。

一つ一つのお話がちょっとしたミステリーっぽくて、面白さはさすがコナン・ドイルといったところ。
ヨーロッパ中を駆け回ったナポレオン軍らしく、ジェラールが活躍する舞台もフランスにとどまらずヨーロッパのあちこちです。

本国イギリスではかなり人気作品だったらしく、ドイル自身も結構気に入ってたキャラクターだったようですが、日本ではおそらく知っている人の方が少ないですよね。
私も全然知らなかった、というより、フランスものの冒険小説を探してコナン・ドイルに行き着くとは思わなかった。
ナポレオン時代はイギリス人のドイルさえも魅了したようです。
確かに劇的な時代ではありましたし、英雄を作りやすかったんでしょうね。

ジェラールはユーモアにあふれた好男子で、女性にもモテたと書かれていましたが、フランス人としてはちょっとイメージとは違ってたような気が。
もっと女たらしでなくてはいけないだろう!と正直思ってしまったかも。
女をたらしこんだおかげで、あるいは女にモテモテだったおかげで任務成功!といったエピソードがあっても良かったのではないかと。
まあ、全てのフランス男がそんなヤツではないでしょうが、フランス男のお話の割には、いまいちアムールが足りなかったような気が。

ただ、そういうのは必要ないという読者にはうってつけの小説かもしれません。
純粋に機転のきく明るい軍人の話が読みたい、ドイルの短編ミステリー、なおかつ冒険ものが読みたいという方には、とてもいい作品だと思います。




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by teri-kan | 2019-03-27 00:00 | 本(小説) | Comments(0)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


by teri-kan
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