「ジュリアス・シーザー」(1953)
2019年 07月 29日
原作はもちろんシェークスピア。
俳優は豪華絢爛。ホントに豪華絢爛。
シーザーとブルータスの妻がそれそれグリア・ガースン、デボラ・カー。
序盤にカッシウスの長台詞があるんだけど、いいなあ、聞かせるなあと思ってたらジョン・ギールグッドだった。
そりゃ上手いよね。
ブルータスの顔が見覚えのある顔で「誰だったっけ?」と思って、ジェームズ・メイソンって名前がこれまた「聞いたことあるけど誰だったっけ?」って感じで、調べてみたら「北北西に進路を取れ」の人だった。
そうそう、あの顔あの顔。
マーロン・ブランドだけはすぐわかりましたよー。
マーロン・ブランドは若くてもマーロン・ブランド。
不遜な顔つきの存在感がすごいよね。
内容的には「タイトルはブルータスなのが正しいんじゃない?」って感じだけど、シェークスピアの原作からそうだからしょうがない。
シーザーの大きさがストーリーを支配するので間違ったタイトルではないけど、でも印象に残るのはブルータスの人間性、精神性。
政治家の演説ほど怖いものはないな。
ブルータスとアントニーの演説場面では高揚感と寒々とした気持ちの両方に襲われましたよ。
コロコロと手のひらで転がされる民衆……。
アントニー、恐るべし。
シェークスピア、恐るべし。
名前の英語読みが一部慣れなくて、「シセロ」には全然ピンとこなかったけど「キケロ」って言われたらわかるとか、そういうところがありました。
シーザーも普段使うのはカエサルですしね。
感覚的にはカエサルとシーザー、アントニウスとアントニーは、世界史とシェークスピアで使い分けるって感じだけど、でもだからといってブルータスはブルトゥスじゃないんだよなー。
あまりにも「ブルータス、お前もか」のセリフが強烈すぎます。
この格言、使い勝手が良すぎてブルータスはもうブルータスでしかない。
そしてそんな風にシーザーに言われてしまったブルータスは……原作は読んだことないし舞台も見たことないけど、この映画はオススメです。
ブルータス、悲しいね。
彼もそうだけど皆良いです。
さすがの名優揃いで見ごたえ十分です。