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「7SEEDS」その5

「7SEEDS」は登場人物が多いのでカップルもいろいろ。
今回はそういうことが中心の感想。







まずは涼とまつり。この二人は涼に対するまつりのブレない頑張りがいい。
涼はちょっとやそっとで揺らぐ人物ではないけど、まつりはそれを崩すことができる。
崩されることを涼が時に腹立てつつも快く感じてるとこがいい。
いざとなれば人を殺すことも躊躇しないヤバい男だけど、彼の精神は健全だ。
個人的には安居より涼の未来を心配してるのだけど(生きがいを持つという意味で)、まつりときちんとした関係性を築いて、人生に主体的になってもらいたいな。

「7SEEDS」において恋愛模様の軸はもともと恋人同士だった花と嵐だけど、第一巻からじっくり時間をかけて描かれたのは蝉丸とナツ。
最初はひどかったけど、この二人は次第に面白くなりました。
特に終盤蝉丸にはこっちも助けられた。
息もつかせぬ展開の中で、蝉丸の存在、蝉丸とナツのやり取りは、一息つけるありがたさ。

大きく物語を転換させる出会いはハルと小瑠璃。
彼らの出会いが夏Aと一般人チームをつないでいきます。
きっかけが音楽だったのが良い。
施設でかけてたレコードは時報替わりでしかなかったけど、小瑠璃の心を動かす役割を果たしてくれたから、まあいいか。
要さん、施設内で芸術を全く排除していたわけではなかったんですよね……。

ハルと小瑠璃、涼とまつりの出会いが、どちらも女の子が上から降ってくるというのは印象的でした。
美鶴さんの「夕鶴」がモチーフになってるってことは……さすがにないか。
まつりの場合は落ちてきたって感じだし。

恋愛関係ではないけどコンビで好きなのは花と朔也くん。
外伝で花は朔也くんを記録係ならぬ記憶係として使ってるけど、本編のかなり早い段階から辞書扱いして活用してました。
極端な肉体派と頭脳派で、性格的にも合うようには見えない二人だけど、これが不思議と上手くいってる。
何かコトがあると視野が狭くなる花と、原則が大事で判断がブレない朔也くんは、良いコンビだと思います。

いい味出してたのが新巻さんとあゆ、角又とあゆ。
くだらないいじめやいびりを嫌っているあゆが比較的大人な二人になついたのは必然、彼らとあゆの対話はアンドロイドが人間の感情を学習していく過程のようで興味深かった。
新巻さんも角又も基本ソフトで優しいからね。
私も彼らは大好きだ。

ていうか、出てくる男、皆いい男なんだよ。
欠点は皆持ってるんだけどね。かなり大きな欠点を。
でもだからこそ面白い。
ちなみに女もカッコいい。

女同士では虹子とお蘭さんのコンビがいいね。
虹子の他人への無関心さは筋金入りだけど、お蘭さんと仕事絡みで話し合ううちに人間らしくなっていくというのは、二人とも仕事にプライド持ってるんだなーといった感じで好ましく見える。
虹子の人付き合いがそういったところから始まるのは納得できます。

メンバー皆そうだけど、未来で目覚めてしばらくは精神的に荒んでるし、余裕ないし、ギスギスしてやたら攻撃的なんだけど、佐渡に定住する頃は情緒的にも安定していて、成長&本来の自分を取り戻す、という感じが皆に見えて、爽やかなんですね。
そこに至るまでのいろいろな人間関係は面白かったですね。

結局それが描きたかった漫画なのかなあ。

……といった感じのキャラの感想は次回も続く……。



(続く)




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by teri-kan | 2019-10-09 00:00 | 漫画 | Comments(0)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


by teri-kan
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