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「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」(2019)その1

壮大なSF叙事詩の完結編。
ネタバレ全開でいきますので、観てない方はご注意を。







第2デススターの残骸には感慨深いものがあった。
ルークのXウィングが浮かび上がった時はさすがにウルッときた。

ラストシーンは文句なしだった。
アナキンが闇落ちしたきっかけの場所。
ルークが未来を夢見た場所。
スカイウォーカーの精神は過去も未来もここにある。
思えばここはシミ・スカイウォーカーが眠る場所なんだよね。

ありがとうジョン・ウィリアムズ。
元気で長生きしてくれてありがとう。
イアン・マクダーミド、ありがとう。
実は皇帝は銀河の主人公だった。

全然思いもしなかったよ、皇帝にお孫さんがいらっしゃったなんて。
一体いくつの時にできた孫よ?
アナキンでさえパルパティーンの孫みたいな年齢だったのに。
まあ、アレに年齢のことを問うても意味がないのだが。
一般的な生殖活動でできた子とも思えないし。

そう、これは同じく一般的な受胎でなかったアナキンが思い出される。
スカイウォーカー一族とパルパティーンの血統は謎が多く怪しい。

ただまあ、桁外れのフォースの持ち主という理由ははっきりした。
思えばレイはずっと闇に近い人物という描き方をされていて、それは親に捨てられたからと思っていたが、実は血統的にそうだったのだー。
というわけで、もうビックリ仰天。
ベイダーの孫と皇帝の孫、悪者の孫はじいさんの尻ぬぐいで大変だ。



前作までのカイロ・レンは、言ってしまえば「闇に落ちたボクだけどそれでも愛してほしかったんだー」と、ママやおじさんに声ならぬ声で訴えていたお子様だったと思うのだけど、今作、とうとうママの声で正気に戻りました。
レンがレイに執着していた理由、今回でわかりやすくなりましたね。
レイがジェダイとシスの狭間にいる苦しみを理解できる唯一の相手だからで、結局彼が最後に大事にしたのは善だとか悪だとかではなく、理解し合える相手ということだったのでしょう。
でもそれは、残念ながら少年時代の彼にとって身内はそうではなかったという話になる。

まあね、銀河に輝くルーク・スカイウォーカーとレイア・オーガナの身内でありながら不良になっていく自分なんて、本人がもしかしたら一番許せなかったかもしれない。
例えば身内が医者ばかりの家系で不良になる少年の後ろめたさを思えば、レンの苦悩もわからないでもない。
しかも勉強できて医者の才能もあるのに、なぜか不良に惹かれてしまうという因果な少年。
悩んでいた彼に偉そうな人が「実は君のおじいさんは伝説のヤクザだったんだよ」と告げたりしたら、そりゃ不良に惹かれる自分に大義名分もできるというものです。
大ヤクザの組長の孫娘に出会ったりして、しかも彼女が強い上に正義感のある子だったりしたら、そりゃ「ボクたちは理解しあえる!さあ、手を取り合おう!」にもなるわな。

この因果から逃れるためにはレンは自由人の父親を手本にしなきゃならなかったんだろうけど、そうならない運命のもとにスカイウォーカー一族は置かれていて、そんなこんなでスカイウォーカーは、なんと血が絶えてしまいました。
「うそーん」な展開ですが、これまでの流れを見たら実は納得の結末。
その人物が何者かを決めるのは血によってではなく魂、あるいはこうなりたいと願う本人の意思によって決まるのだ!

……といった結論で締めるというのは、これまでのストーリーの流れからいっても納得できます。



というわけで、次はスカイウォーカー一族とフォースのバランスの問題について。
今までもスター・ウォーズの感想で書いてきたことだけど、それらを踏まえてエピソード9が描いた結論について考えてみたいと思います。




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by teri-kan | 2019-12-25 10:07 | アメリカ映画 | Comments(0)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


by teri-kan
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