「舞いあがれ!」に出てくるお父ちゃんたちの数々の呪いが恐ろしいことになっている……。
特に今週のくるみちゃんのお父ちゃんは、ちょっとなー……正直キツい。
父娘のいい話にまとめたところが勘弁してくれって感じ。
上手く働くことが出来ない人を周囲が肯定するのはまだいいとして、「くるみの幸せ(結婚)のために」と言って、自分自身の問題を娘に転嫁してるところが、うう~ん。
それでお涙物語にしてるところが……。
一体このドラマはどこに行くんだろうねえ。
くるみちゃんは主人公ではないけど、彼女も含めた朝ドラヒロインと父親の関係って、最近ビミョーなのが多いんですよね。
特に大阪局制作、ていうか大阪限定。
SNS上の朝ドラ界隈のように大阪VS東京をするつもりはないんだけど、東京作の朝ドラには父親の呪いはほとんど感じないのに、大阪局のは「舞いあがれ!」「カムカム」「おちょやん」「スカーレット」と、ここんとこずっと表に裏に父親に呪縛されてる娘ばかりが出てくる。
それがしんどい。
自分が東大阪とか工場経営者の常識とかと合ってないってことなのかなあ。
そういった常識を知らない人達に教えてくれてるドラマってことなのか。
もしそうなら前の「ちむどんどん」みたいだな。
言いたいことやテーマといったものは「これだろうな」と思うものがあるので、年末に感じてたようなわけわからなさはもうないんだけど、別種の疑問点は出てきてて、そこは結構気になりますね。
ここまで父親の呪いを悪い方向に徹底して描くその意図とか、なんなのかなあとさすがに思うし。
大阪東京それぞれに朝ドラの良さがあるし、どちらも好きな作品があるんだけど、父親に関していえば、東京のお父ちゃん達は無職ではなく娘に依存してたりもせず、きちんと自立してる人が多くて、だから娘も自立できてる印象は強いんですよね。
自立するために必要な愛情は描かれているから孤独でもないし、そこの部分でストレスはない。
その点「舞いあがれ!」のくるみちゃん父娘は、絆は強いがその絆に両方ともが依存して、お互いがお互いから自立できないままでいる。
いやもう、この先もとても心配。
ちなみにそういった絆から距離を置いてきたのが悠人お兄ちゃんで、そのお兄ちゃんは何やらピンチっぽい。
ここもまた「絆が大事!」のパターンになるのか。
お兄ちゃんが家族を愛してるのは見ててわかるので、結局そういうところに落ち着くんですかねえ。
どういう成り行きになるのかわからないけど、これまでのお兄ちゃんも肯定されるような展開になってほしいなあ。
あ、くるみちゃんがあのお医者と別れたことはよかったと思います。
残念だけど育った環境、生きている環境が違いすぎる。
お医者がくるみちゃんを好きなのは間違いなくて、だからお父ちゃんの就職も用意したのだろうと思いますが、方向が間違ってましたね。
なんか、いろいろと残念でしたねえ。
でもお父ちゃんが世間並みに定職についてさえいれば……だったのは確か。
お医者とお母さんの言動がアレだったので誤魔化されてるけど、今のままではくるみちゃんの結婚は相手が誰であろうと厳しい。
お父ちゃんの人となりを元々知ってる人じゃないと駄目だろうと思います。
とにかく、くるみちゃんの今後ですよ。
あの三人の幼馴染については、貴司くんは逃げることが出来る人なのでそこまで心配しなくていいし、舞に至っては周囲の顔色を窺って熱を出してたのがウソのように「お父ちゃんの夢」を錦の御旗に突っ走れる人になったし、今では全く心配ご無用のヒロイン。
ホント、くるみちゃんだけなんだよね。
あと、お兄ちゃん。
それぞれがそれぞれの幸せを手に入れてもらいたいです。