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カテゴリ:本(歴史書・新書 日本)( 62 )

「深層日本論 ヤマト少数民族という視座」

工藤隆著、新潮新書。

少数民族と言われて思い浮かべるのは、例えば中国の少数民族だけど、捉え方としてはそれでOK。
本書は長江以南の少数民族と日本は文化的に共通しているというところから考察された日本文化論になります。
海があったから中国に取り込まれなかったけど、中国南部の少数民族とヤマト民族は中国周辺にあるという意味では同じで、その視点で日本文化を見直してみましょうという本です。





稲作文化、歌垣文化、天岩戸神話
by teri-kan | 2019-06-03 10:00 | 本(歴史書・新書 日本) | Comments(0)

「アマテラスの二つの墓 東西に封じられた最高神」

戸矢学著、河出書房新社。

いきなりなんですが、ということは、奈良時代に道鏡を天皇にしていいかお伺いを立てた宇佐神宮の神様というのは、ヒミコでありアマテラスの前身でもある比売大神ではなく、八幡大神ってこと?

多分皆「はあ?」だろうけど、これがそう突拍子もない話ではないのです。
なんで皇位継承のことなのに伊勢神宮が託宣しないの?なんで宇佐神宮なの?なんで記紀神話に登場しないのに八幡様は天皇に大事にされてたの?という疑問への答えとしては結構イケてるような気が。

ということで、ここからは本書を読んで爆発させた個人的な妄想を。
戸矢氏の以前の本「卑弥呼の墓」の感想でも書いた「ヒミコは何の神を祀っていたのか」の答えも出てきたということで、もう妄想が止まらないー!!





妄想なので怒らないで下さい
by teri-kan | 2019-04-10 00:00 | 本(歴史書・新書 日本) | Comments(0)

橋本治死去

とんでもなく驚いたし、とてつもなくショック。
頼りにしていた知性の塊がいなくなってしまいました。



出る本出る本読みまくっていた時期があったんですよね。
執筆スピードが速かったし、雑誌の連載も合わせたら常に橋本治の何かを読んでいた。

おかげでかなり影響されています。
身体感覚に根差した思考のやり方を教えてもらいました。
感謝しかありません。

読んでいたのは専ら評論とかエッセイ。
時事問題はもちろん、文学、歴史、芸術、芸能。古典から現代モノまで幅広い。
とんでもなく広くて深い知識の海だった。
その海で泳がせてもらうのは本当に楽しかったです。

印象に残っているのはたくさんあるけど、今の人にもオススメなのは、一見ライトに見える「性のタブーのない日本」。
橋本治らしい本だと思う。

あとは文学系では、「源氏供養」「失われた近代を求めて I 言文一致体の誕生」。
古代史も含めた日本史では、「権力の日本人 双調平家物語ノート 1」がべらぼうに面白い。
これが合えば続きの「院政の日本人」も是非。

昔お気に入りだった「江戸にフランス革命を!」も良いし、話題になった「宗教なんかこわくない!」も良かった
あとは「ひらがな日本美術史」ですかねえ。
「小林秀雄の恵み」も良いです。
本居宣長、小林秀雄、橋本治、この知の巨人の系譜に続くのって……次は誰?

著作がありすぎて困るほどですね。
どれも刺激的で面白かった……。



……ああもう、ショックしかありません。
冷静にお悔やみが言えません。
なんでこんなに早く逝ってしまうのか。
ただただショック。




by teri-kan | 2019-01-31 00:00 | 本(歴史書・新書 日本) | Comments(2)

「火山で読み解く古事記の謎」

蒲池明弘著、文春新書。

こういう古事記の解釈は初めてだったんだけど、いやー、面白かった。
ホントかどうかはともかく面白かった。
古事記の神話部分は火山活動がベースになってるというもので、あれも火山これも火山って、なんでもかんでも火山に結びつけちゃうんだけど、これがなぜか無理がない。
むしろ「おお~、確かにピッタリ合うかも~」って感じ。

古事記の奥深さはたまらんですね。





楽しい感想
by teri-kan | 2018-01-31 16:29 | 本(歴史書・新書 日本) | Comments(0)

「オオクニヌシ 出雲に封じられた神」

戸矢学著、河出書房新社。
日本古代史最大の謎であり、最大の事件である「国譲り」について解明を試みた本。
出雲に深く切り込んでます。
とても刺激に満ちてる内容です。





感想
by teri-kan | 2017-12-13 15:59 | 本(歴史書・新書 日本) | Comments(2)

「縄文の神」

戸矢学著、河出書房新社。

著者のこれまでの著作の、ある意味まとめみたいな本。
それぞれの事例をもっと詳しく知りたければそちらを読んで下さい、みたいな感じで、そういった点でちょっと省略すぎというか、解説が簡単すぎる部分もあるけど、「縄文の人々の信仰とはどういうものだったのか」を総合的に著してくれてるので、縄文の信仰の全体的イメージはつかみやすいと思います。

当時の人々は何を畏れ、何を神聖視していたのか、といったことですね。
それが現代の人間にもしっくりくるよう、解説してくれています。





縄文時代は原点
by teri-kan | 2017-10-23 17:05 | 本(歴史書・新書 日本) | Comments(0)

「だめだし日本語論」

橋本治、橋爪大三郎著。
太田出版。

次々と本を出されているお二人の対談本。

「日本語は、そもそも文字を持たなかった日本人が、いい加減に漢字を使うところから始まった―
成り行き任せ、混沌だらけの日本語の謎に挑みながら、日本人の本質にまで迫る。あっけに取られるほど手ごわくて、面白い日本語論」

と、紹介されている本です。




感想
by teri-kan | 2017-06-23 10:18 | 本(歴史書・新書 日本) | Comments(0)

「たとえ世界が終わっても」

副題は、その先の日本を生きる君たちへ。
橋本治著、集英社新書。

時事問題を扱った橋本治の本を久々に読みました。
90年代から2000年代は読みまくってましたが、あの頃は執筆ペースも鬼のように早かったですよね。
ペースが落ちた時は心配したものでした。
まえがきで著者本人が体力の減少に触れてたんだけど、なんと、もうすぐ70歳なんですか。
自分も年くったんだから当然なんだけど、時は流れてますねえ。

まあそういったわけで、本作は橋本治がつらつらと書くのではなく、体力温存のために会話形式になっていて、質問をする登場人物が二人も出てきます。
これがなかなか効いていて、かなり内容を理解しやすい。
初めて橋本節に接する人にはおススメではないかと。
あっちへ飛びこっちへ飛びのウネウネ解説も、会話だととっつきやすいのではないかと思います。

肝心の内容ですが、扱っているのはEUと、EUを生み出したヨーロッパというもの、というか、ヨーロッパの経済事情かな。
それと絡めて日本のバブル時代。
バブル以前と以後の日本の違いと、その前を知ってる人間と知らない人間の違いについての解説。

知らない世代の代表のような質問者その1の青年くんは、私からしてみれば面白かったですね。
知らない世代の人間がどういう人間かということを、言葉遣いは柔らかくも冷徹に述べる橋本治に対して、自分が批判されてるように思ってしまうところが、んー、若いってことなのかな?
世の中の悪口を言ったら自分への悪口のように思ってしまう人って、まあ、いますよね。
社会と自分との距離の持ち方の問題なのでしょうが。
距離と言っても、脳内の話だけど。

天動説と地動説のたとえは面白かったですね。
社会と自分のどちらを中心に置くかというの。
この考え方で結構いろいろと社会で起こってることの疑問が解決しそうな気がします。
「心のない論理」と「心の論理」と「心のある論理」の話も、世の中の人達を理解するのに助かる解説。
こういうのを読むと、やっぱり橋本治はこの世に必要だよねと思います。
なんで世の中が上手くいってないのか根本から理解できますもん。

本書の内容は多岐にわたっていて、いちいち感想を書けないんだけど、全体的な感想となると、西洋的近代をきちんと振り返って反省するってことになるのかなあ。
これは私がここ数年ずっと考えてることでもあるので、私が自分のテーマに合わせてこの本をそのように受け止めたってことかもしれませんが。

でもどうすればよいかというのはわからない。
必要なのはよく言われる「身を切る改革」で、切るべきは既得権層の身なんですが、自分で自分を切りつけられる人ってのはいないから、必要な改革はきっと永遠にやってこない。
なのでタイトル通りずるずると世界が終わることになるのかなあと思うけど、たとえばフランスはバリバリのエリートを大統領に選んだけど、彼が自分とお仲間の身を切ることができたら、ちょっとは変わるかなあ? 
ガラリと変えることができなければEUはホントにもたないと思うけど、ドイツは自分の身を切れるかなあ、どうだろ。
過去を反省してるなら切ってみてよと思うけど、まあ無理ですよね。

「戦争の反省からEUを作ったのだ、平和のためにEUの促進は大事なのだ」という論調があるけど、今の状態は「平和のために中間層は貧困層化することを受け入れろ」って言ってるだけのことになってるから、さすがに額面通り「EUは人類の幸福のために必要」とは信じられない。
爆弾を使う戦争はやらないけど経済戦争にはこのまま突き進みますってことだし、普通の人々が不幸になるという意味では実はどちらもあまり変わらなかったりする。
「爆弾で死ぬのと仕事がなくなってのたれ死ぬのとどっちがいい?」って問われたら、そりゃ爆弾の方が嫌だけど、でも仕事ができないのは人間の尊厳に関わることだから、それで人として生きているといえるのか?という論争に進んだりしたら、ヤバイ方向に向きかねません。
EUはホントに岐路に立ってると思います。

本書もその辺ははなから期待してないっぽいのですよねえ。
未来は暗そう。
これってEUの話だけじゃないし、ホントに未来は暗い。

誰か何とかして下さい。



by teri-kan | 2017-05-10 11:03 | 本(歴史書・新書 日本) | Comments(0)

「日本語通」

山口謠司著、新潮新書。

帯の「藤原不比等がプディパラのプピチョ?」が目をひきますねー。

「はひふへほ」は「ぱぴぷぺぽ」と昔は発音していた、というのは何かで読んだことがあって、でもそれがなぜかと言うのは知らなくて、なのでそれについて書かれてある本なのかなと思って読んでみたら、なんと中身は発音だけじゃなく、タイトル通り「日本語通」な日本語全般のお話でした。
なかなか面白かったです。

普段の会話でも使えそうなウンチクとか、学生時代に読みたかったなあと思える文法の話とか、発音についての解説はちょっと難しいところもあったけど、「ほほー、だからぱぴぷぺぽー」と理解しやすい内容。
古代日本人の話し言葉だった日本語が、どのような歴史をたどって今私達が知ってる日本語になったのか、その時代時代で日本語を成り立たせるために、あるいは守るためにどんな苦労が払われていたのか、そんなことが書かれています。

古代の通訳のお話が面白かったですね。
日本人が中国に渡って学んだり、中国人の先生が日本にやってきたり、当時のスーパーエリートである僧侶の日本語への貢献ってすごいなって思えます。
仏教やお経の影響って膨大というか、中国で出来た漢字のお経だって元はサンスクリット語で書かれたインド産ということで、サンスクリットがなければ日本語も今のような日本語になっていないんですよ。
仏教とお坊さんにありがたや~な気持ちになります。

個人的には古典の文法について、せめて高校生の時にこれを読みたかったなあって感じでした。
わかりやすいんです。覚えるのに苦労してる人にはちょっとオススメしてみたいかも。
あとウンチク部分は超気楽に読めるのでここもオススメ。
やっぱり日本語って面白いですよ。
こういうのこれまで読んだことないって人にこそオススメの本です。




by teri-kan | 2016-08-26 13:30 | 本(歴史書・新書 日本) | Comments(0)

「異端の人間学」

五木寛之、佐藤優著、幻冬舎新書。

ロシアを知りたければロシアに詳しい二人の対談本!

……というわけで読んでみました。
読みやすいしオススメです。
でもロシアへの親近感はあまり持てません(笑)。
「へー、そういう国かあ」ということはわかっても、仲良くしたいかどうかはまた別物です。

そういう風に思っているのは、多分私だけではないんでしょう。
日本におけるロシアの不人気が深刻で、本書でも外務省がロシア専門家を育ててないことに苦言を呈していたけど、まあそういう賢い人達の事情はともかく、一般人レベルで言えば、ロシアってとことんインテリゲンチャのものなんだなあ、という感じです。
既にこの本からして「ロシアについてもっと知れ」と仰ってる方々がその代表のようなお二人。
知的活動をしなければわからないシロモノ、無理矢理脳みそ働かせてやっとお近づきになれるシロモノ、ソ連もロシアもそんな感じで、なんといいますか、むしろなんでこんな気楽でない国なのでしょうか。
司馬遼太郎の「ロシアについて」で、こんな歴史だからそういう性格になってもしょうがないんだーと思ったことはありますが、それにしてもねえ、いつまでも灰色のイメージなんですよねえ、ロシアって。ソ連でなくなっても。

それがヨーロッパではロシア恐怖症に繋がってしまうということなのでしょう。
日本はわからないままに放っておいてる感じのようですが。
どちらにしてもこんな国だからこそ専門家が必要ってことで、インテリの人には頑張ってもらいたいものです。



ところで、実は私がこの本で最も印象に残ったのは、実はロシアについてではなく、この二人のもう一つの得意分野、「宗教」についてのことでした。
なので、ちょっとそれについて妄想膨らませます。
「アホか」と突っ込まれてしまいそうなくらいアホな妄想なので、生暖かく見てもらいたいです。
五木寛之が、宗教の性格は開祖の没年齢で決まる、というようなことを言ってたのが面白かったので、それについて思ったことをつらつらと。





イエスの享年は33歳か36歳
by teri-kan | 2016-04-27 11:15 | 本(歴史書・新書 日本) | Comments(2)