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「華麗なる激情」(1965)

システィーナ礼拝堂の天井画をめぐる芸術家とローマ教皇の確執がテーマの映画。
ミケランジェロにチャールトン・ヘストン、天井画を描くことを命じたユリウス2世にレックス・ハリソン。



深刻な映画かと思いきや案外そうではなくて、芸術家によくある生みの苦しみの描写は一応あるけど、ミケランジェロはやっぱり天才なのか、というか、神に愛された芸術家は霊感をたやすく得られるんだなあ。

むしろメインは芸術そのものよりユリウス2世との関係性にあって、これまた結構な確執があったりするんだけど、なんていうか、レックス・ハリソン自身のキャラクターのせいもあると思うんだけど、真剣に見えてどこかふざけてるというか、時にギャグか?と思えるような場面もあって、こっちとしては随分レックス・ハリソンのおかげで余裕をもって見れたような気がする。

ヒギンズ教授のイメージが強すぎるのかなあ。
彼のせいで奇妙なエンタメ風味が出てたように思います。

それが悪いってわけじゃないんだけど、これまでイメージしていたユリウス2世とはまるで違うというのがあって、まあ私のイメージするユリウス2世は惣領冬実の「チェーザレ」(まだ枢機卿時代だけど)なので、もう全然キャラが違うんです。
でもこの映画を見てたら「こんなユリウス2世だったらいいなあ」と思えるものではあります。

見ていて面白かったのは、教皇の方が思いっきり俗だということ。
芸術家の方が神に近いんだなと。
時はルネサンス真っ盛りですが、なるほど、芸術家は愛されてしかるべきなのですね。
ユリウス2世のことをああだこうだと言ってますが、彼のミケランジェロに対する感情はなるほどと思えるものでありました。

憧れ……。
一言でいえばそうなるのかな。
ミケランジェロは振り回されっぱなしですが、彼らの心の交流は見るべきものがありました。



にしても、邦題になんでも「華麗なる」をつければいいってもんでもないだろうってタイトルです。
映画の原題は「The Agony and the Ecstasy」。
「ミケランジェロの生涯 苦悩と歓喜」という伝記小説が原作だそうで、一体これがどうなったら「華麗なる」「激情」になるのか。
確かに映画は豪勢で主演二人はよく怒ってたけどさあ。

このタイトルで「ミケランジェロの創作活動がテーマの映画です」って言われてもピンとこないよねえ。




by teri-kan | 2019-07-31 00:00 | アメリカ映画 | Comments(0)

「ジュリアス・シーザー」(1953)

監督・脚本は「イヴの総て」のジョゼフ・L・マンキーウィッツ。
原作はもちろんシェークスピア。
俳優は豪華絢爛。ホントに豪華絢爛。

シーザーとブルータスの妻がそれそれグリア・ガースン、デボラ・カー。
序盤にカッシウスの長台詞があるんだけど、いいなあ、聞かせるなあと思ってたらジョン・ギールグッドだった。
そりゃ上手いよね。

ブルータスの顔が見覚えのある顔で「誰だったっけ?」と思って、ジェームズ・メイソンって名前がこれまた「聞いたことあるけど誰だったっけ?」って感じで、調べてみたら「北北西に進路を取れ」の人だった。
そうそう、あの顔あの顔。

マーロン・ブランドだけはすぐわかりましたよー。
マーロン・ブランドは若くてもマーロン・ブランド。
不遜な顔つきの存在感がすごいよね。

内容的には「タイトルはブルータスなのが正しいんじゃない?」って感じだけど、シェークスピアの原作からそうだからしょうがない。
シーザーの大きさがストーリーを支配するので間違ったタイトルではないけど、でも印象に残るのはブルータスの人間性、精神性。

政治家の演説ほど怖いものはないな。
ブルータスとアントニーの演説場面では高揚感と寒々とした気持ちの両方に襲われましたよ。
コロコロと手のひらで転がされる民衆……。
アントニー、恐るべし。
シェークスピア、恐るべし。



名前の英語読みが一部慣れなくて、「シセロ」には全然ピンとこなかったけど「キケロ」って言われたらわかるとか、そういうところがありました。
シーザーも普段使うのはカエサルですしね。
感覚的にはカエサルとシーザー、アントニウスとアントニーは、世界史とシェークスピアで使い分けるって感じだけど、でもだからといってブルータスはブルトゥスじゃないんだよなー。

あまりにも「ブルータス、お前もか」のセリフが強烈すぎます。
この格言、使い勝手が良すぎてブルータスはもうブルータスでしかない。
そしてそんな風にシーザーに言われてしまったブルータスは……原作は読んだことないし舞台も見たことないけど、この映画はオススメです。
ブルータス、悲しいね。

彼もそうだけど皆良いです。
さすがの名優揃いで見ごたえ十分です。




by teri-kan | 2019-07-29 00:00 | アメリカ映画 | Comments(0)

吉本興業のゴタゴタ

ここんとこずっとこの話題が続いてる。
闇営業発覚の時からテレビもネットもすごかったけど、記者会見が行われてからは異常事態。
吉本という会社と芸人が世の中のいいオモチャ。
なんなんですかねえ。

次から次へと芸人が好き勝手に発言してるのが騒動の大きな要因になってると思うのだけど、この発言の自由さが、なるほど、さすが契約書を交わしてない自由さなのだなと、感心しています。
契約書がないことが身分の不安定さを生み出してる一方で自由さも与えてて、今の騒動も「これが吉本ってことなんだろうなあ」といった感じ。
さんざん言われてる会社の初動のマズさも、その辺のルーズさから来てるんだろうなあ。
今後どうなるかわかんないけど、今のままじゃダメなのは確実だから、早いとこ収拾つけてもらいたいですね。

ジャニーズも公正取引委員会から注意されてたけど、芸能事務所の黒い手法は今の世の中ごまかしきれなくなってるので、変なところはさっさと改善してもらいたいです。
反社会勢力による被害者はこのご時世全く他人事ではないので、こちらも「所詮それが芸能界」と冷めた目で見てる場合ではなくなってます。
客を不快にさせない、客を良い気持ちにさせる、を第一に、芸を提供してもらいたいものです。




by teri-kan | 2019-07-26 00:00 | 事件・出来事 | Comments(2)

「鬼とはなにか」

副題は「まつろわぬ民か、縄文の神か」。
戸矢学著、河出書房新社。





鬼とはなにか!?
by teri-kan | 2019-07-24 00:00 | 本(歴史書・新書 日本) | Comments(0)

京都アニメーション

あまりに理不尽な犯罪で、この感情をどう言葉にしていいのか、それをどこにぶつけていいのか、わからないまま日々が過ぎています。
可哀想すぎて気の毒すぎて言葉にならない。

犠牲者の数が多すぎます。
動機のくだらなさに対して引き起こされた事態が凄惨すぎる。
心の整理がつかないのです。
狂人が起こしたからと言われても納得できない。



亡くなった方々のご冥福を心からお祈りします。
治療中の方々は大変な苦痛の中にいらっしゃると思いますが、どうか頑張ってほしい。

犯人は絶対に生かして、被害者と同じ火傷の苦しみを最大限味わえばいいと思うし、その上で厳罰に処してもらいたい。
動機の正確な解明と、この手段をとった理由、必ず明らかにしてほしい。

今はもうそれだけ。
被害者とそのご家族、関係者の方々のために祈るだけです。




by teri-kan | 2019-07-22 00:41 | 事件・出来事 | Comments(4)

「ブルボン朝 フランス王朝史3」その2

前回の続き。
フランスについていろいろ考えたりしたことを。





ラ・フランスは日本だけ?
by teri-kan | 2019-07-18 00:00 | 本(歴史書・新書 海外) | Comments(0)

「ブルボン朝 フランス王朝史3」その1

「カペー朝」「ヴァロワ朝」に続くフランス王朝史第三弾にして最終巻。

王家と言えばブルボン、王といえばルイ。
日本人が抱く王様イメージといえばコレ!のブルボン家の王の歴史がまとまってる本です。

佐藤賢一著、講談社現代新書。





ブルボンといえばブルボン・ルマンド
by teri-kan | 2019-07-16 00:00 | 本(歴史書・新書 海外) | Comments(0)

人見絹枝物語

大河ドラマ「いだてん」でアムステルダム・オリンピックが行われました。

アムステルダム・オリンピックといえば、広島人にとっては日本人初の金メダリスト、地元出身の織田幹雄なのですが、ドラマでは日本初の女性オリンピック選手にして日本初の女性メダリスト、人見絹枝がメインで話が進みました。

いやもう感動的で、見てない方は明日の再放送を是非見てくれ~って気持ちなのですが、うん、ちょっとストックホルム大会の四三さんと三島さんを思い出しましたね。
初参加の二人が現地で鬱のようになったこと、「初」のもたらすプレッシャーに押しつぶされそうになったこと。
まして人見は国内でものびのびと走れていたわけではありませんでした。
パイオニアは皆苦労するものですが、にしてもあの時代の女性であそこまでの覚悟で戦った彼女には、ただもう尊敬の念だけです。
素晴らしい人です。

女性は体が男とは違うんだからスポーツには向いてない、という言葉。
ドラマで何回か出てきてるんだけど、そういえば私が子供の頃は「マラソンは過酷だから女子には無理じゃないか」ということが言われていたような気がします。
だけど日本で人見の次に陸上女子でメダルを取ったのはマラソンの有森なんですよね。
無理なことは何一つないのだと、道を切り開いた方々に教えられ続けています。

ドラマで特に感動したのはぶっつけ本番で800mの出場を決めた人見に、野口さん(永山絢斗がやってる)や織田君(後の日本陸上界の父)達がレースプランを立て、腕振りの大事さを教えたり、レース中に大声をかけていたところ。
あれ、実際にそうだったのかな?
まあドラマの演出でもなんでもいいや。
とにかく感動した。あれは男も女もない、日本陸上の勝利だ。
その上で日本女性の勝利だし、人見の勝利だ。

さすが野口君。
この人も陸上界ではすごい人なんだけど、なんかもう日本陸上に貢献した名だたる人達の青春時代が素晴らしい。
陸上にかけた情熱が素晴らしい。
見ていてものすごく楽しい。



ドラマは関東大震災を境に第二部・田畑政治編に入っていて、水泳ニッポンがどのように出来上がっていったのか、今まさにその成り立ち部分をやってるところです。
陸上と水泳で何気に対立してるところがちょっと面白い。
うん、メダル数では水泳なんだよね、もう圧倒的に。
でも陸上はオリンピックの華だからね。
どっちも仲良くガンバレーな気分。

阿部サダヲの田畑政治こと河童のまーちゃんが面白いです。
にぎやかでせわしない。
舞台が主に新聞社、政治家も出てきたりして、下町の足袋屋や車屋がメインだった金栗四三編と比べると、かなりインテリ風味になってます。

時代はもう昭和ですからねー。
四三さんが初参加したストックホルム・オリンピックは明治だから、ドラマの最初の頃と比べると年月の長さにしみじみします。

これが遺作になった萩原健一の高橋是清がカッコよかった。
雰囲気がすごくある。
改めて惜しい気持ちがよみがえりました。
合掌。




by teri-kan | 2019-07-12 00:00 | 大河ドラマ | Comments(0)

最近のニュースいろいろ

ややこしい話と難しい話とキナ臭い話。





微妙な問題ばかり
by teri-kan | 2019-07-10 00:00 | 事件・出来事 | Comments(2)

「検察側の証人」

先ごろNHK-BSで放送されたイギリスBBC版のアガサ・クリスティのドラマ。
録画してあったものを見たのですが、ううーん、これは……どうよ?

原作は読んでないけどビリー・ワイルダーが映画化したものは見たことがあって、なのでどうしてもワイルダー版に引きずられてしまうのです。
それはよくないと思うのだけど、でも正直に書いてしまえば、同じ原作を映像化したという点で比較するなら、断然ビリー・ワイルダー版に軍配は上がる。
面白さでは段違い。

多分クリスティの原作に近いのはドラマの方だと思うんだ。
ワイルダー版はワイルダー色が強いよね。
だからただのビリー・ワイルダー贔屓なだけでクリスティ関係ないだろって言われるかもしれないけど、でもラストの改変はどちらにもあったけど、同じ改変なら映画の方が良かったよなー。
あっちの方が余韻が大きかった。

ていうか、単純にドラマ版は暗いんだよ。
暗い、暗い、暗すぎる!
映画のヤンチャなじいちゃん弁護士が好きだったんだよー。
お茶目で我がままで有能でカッコよかったんだよー。

ああ、今猛烈に映画「情婦」が見たい。
前も言ってて今回も言うけど、なんで「情婦」って邦題なのさ。
ドラマ版見てて、「これこそ情夫というタイトルでいいんじゃなかろーか」って思っちゃったよ。
女の情婦感より男の情夫感の方がよく出てたドラマでしたよね。
ヤツは立派なヒモだったー。
ホントのホントにヒモだった。

いやー、ホント、後味の悪いドラマでしたね!




by teri-kan | 2019-07-08 00:00 | 海外ドラマ | Comments(2)