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「アルテ」

大久保圭のイタリア・ルネサンス芸術家漫画。
画家を目指すフィレンツェ貴族の令嬢が主人公です。
現在11巻まで発刊。



あの時代に女性がこういった画家修業ができるのかどうか、読んでる時はわからなかったけど、調べてみたらルネサンス期も女流画家が全くいなかったわけではなかったよう。
でもアルテより少し時代が進んだ頃なのかな?
アルテのようなパターンは、それこそ漫画の主人公になるほど珍しかったのではと思います。

時代といえば、途中までルネサンスのいつ頃なのかわからなくて悩んだけど、徐々に推測できる事柄が紹介されて、今現在はわかりやすい歴史的人物も登場して、かなり特定されました。
大体教皇レオ10世の頃ですね。
芸術まっさかり~。

話としては主人公の前向きさが気持ちよく、職業人の中で珍しい「貴族」「女性」であることを時にコンプレックスに、時に武器に感じながら、画家として大成していくといった内容です。
画家に限らず職業人の描き方がいいですね。
彼ら彼女らの生活ぶり、社会的地位、当時のフィレンツェの活気が手に取るように伝わってきます。
主人公の成長、具体的な画家のお仕事、それらがメインに描かれるお話でありますが、当時のフィレンツェ自体が主人公のような、イタリア・ルネサンス自体が主人公のような、そんな作品でもあるように思います。

最終的には主人公が画家として独り立ちするところまでいくんだろうけど、いやー、画家といっても宗教画の格の高さはかなりのもののようで、漫画はそこまでいくのかなあ。
そこまでいくとなるとこのお話って一体どこまで……。

で、この時期のフィレンツェの芸術となるとミケランジェロは外せないと思うのだけど、はて、今後ミケランジェロは登場するのであろうか。
ていうか、今の大物登場人物がパトロンになるならこの先フィレンツェから離れるとかあるのかなあ。

どうなるんだろ。
気になりますね。




by teri-kan | 2019-08-30 00:00 | 漫画 | Comments(0)

お隣の国

何が何でも絶対友好!と思ってる方は読まない方がいい内容です。





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by teri-kan | 2019-08-28 10:00 | 事件・出来事 | Comments(6)

「とんがり帽子のアトリエ」

白浜鴎のファンタジー漫画。
魔法使いに憧れて大変なことをしでかしてしまった女の子が、正しく魔法使いになるべく師匠のもとで仲間達と修業を積んでいくお話です。
現在5巻まで発刊。



大変可愛らしいお話です。
その上で世界観がしっかりしてて、登場する魔法が妙に科学的。
魔法なので基本的に不思議の世界なんだけど、やけに理屈がしっかりしている魔法なんです。
修業がきちんと説明できる魔法なのです。

魔法使いが魔法体質の選ばれし人種ではないのがかえってリアルというか、魔法使いとそうでない人間を分けるものが「ソレ」だったというのがこの話の一番面白いところで、「ソレが何か」を書くと大きなネタバレになってしまうのでここでは控えますが、それが一番この世界の鍵になるところであります。

主人公はもちろん、弟子の女の子たちがみな可愛いのが良いです。
彼女たちの繰り出す魔法がこれまた可愛い。
夢があって、この年になっても「魔法っていいなあ」って思える。
このお話のもう一つのいいところは、そういった魔法のワクワク感を楽しめるところかな。
子供の頃にマンガやアニメの魔法に憧れてた気持ちをちょっと思い出しました。



魔法使いは皆さん空を飛べるんだけど、訳あって皆足を揃えて飛ぶのです。
その姿が可愛いんですよね。
女の子たちがその恰好をとるのは当然似合ってて可愛いんだけど、大の大人もそうなのが微笑ましい。
師匠のキーフリー先生は男性だけど外見がとてもチャーミングなので、足を揃えた恰好もキュートだけど、他にいろいろ出てくる強面のおにーさん達もその恰好なのが印象的でした。
そういうちょっとしたところも可愛らしくて、全体的にとても良い雰囲気になっています。

基本ほんわかしたお話だけど、冒頭から大事件が起こるし、大変な歴史を抱えてるし、今なお世界は危うくて、実は結構ハードな内容ではあります。
もう一つの魔法使いチームの在りようは、どうやら魔法そのものを問う存在でもあるようだし。
5巻まで出ていてストーリーはそれなりに進んでいるけど、この先を想像するとまだまだ先は長そう。

いやー、これからどうなるんでしょうねえ。
とても面白いからこの先も追っていきたいけど、ホント長くなりそうだわー。




by teri-kan | 2019-08-26 00:21 | 漫画 | Comments(0)

「椿姫」

アレクサンドル・デュマ・フィス著、吉村正一郎訳、岩波文庫。
舞台に映画にバレエに、多くの人に愛され続けている悲恋の名作です。





フランス文学の愛欲に溺れる若い男
by teri-kan | 2019-08-23 00:00 | 本(小説) | Comments(2)

微妙なニュース

話題のあいちトリエンナーレ2019について。





More
by teri-kan | 2019-08-21 00:00 | 事件・出来事 | Comments(2)

「ゴリオ爺さん」

バルザック著、中村佳子訳、光文社古典新訳文庫。

自分からは遠い作家だと思っていたのですが、フランス文学を紹介している本に載っていた解説を読んで興味がわきました。
その本には、大革命がもたらしたものが「ゴリオ爺さん」には描かれていると。
フランス革命は理念が起こしたものではない、金を持った人間がより金を持ちたいと思ったからこそ起きたもの、この小説にはその結果としての欲まみれのパリ社会が描かれている、とまあ、ざっくり言うとそういった解説が書かれてあって、それは是非読んでみなければと、先日「ブルボン朝」を読んでフランスについて「ううーん」な気分になった私は思ったのでした。

で、読んでみたのだけど……なるほどー、こんな話だったのかー。





お金さえあれば
by teri-kan | 2019-08-19 00:17 | 本(小説) | Comments(2)

「日の名残り」(1993)

主人公は長くイギリス貴族に仕えたベテラン執事。
1930年代の回想シーンとその20年後の戦後の現在とが行き交うお話。

原作はカズオ・イシグロ、監督はジェームズ・アイボリー。
執事役はアンソニー・ホプキンス。



執事とはどういうものかを知るのにうってつけの映画と言えると思います。
当時の富裕なイギリス貴族の館の日常運営がどのように行われていたか、細かく演出されています。

と同時に、もしかしたら貴族の使用人やメイドといった業界は、この頃は斜陽産業になりかけていたのかな?と思わされることも。
若い子が結構簡単に辞めていくし、新しく雇うメイドもイマイチな子だったり、人に仕える仕事よりも自由に働きたいって感じの若者が目立ちました。

そして主人公の執事は、……どうなんだろう、優秀な人なのだと思うけど、このあり方こそがこれぞ執事というのなら、政治的知識など全く持たず、ひたすら主人の人間性に仕えるのが正しい執事、ということでいいのかな?
主人の政治的な仕事には全くノータッチでいることが正しい執事。
まあ、主人に余計な助言なんて以ての外だよねえ。
でもこの映画のご主人様はちょっと気の毒だったな。

メイド頭との関係は難しかったですね。
主人に対して無私で働くことが正しいことと思い及んで生きていると、自分の感情の正しい出し方もわからなくなってくるのかなあ。
ベストな形は結婚なりなんなり微妙な関係をきちんと形にして、その上で執事とメイド頭としてあのお屋敷を二人で切り盛りしていくことだったと思うんだ。
とにかくお屋敷で一緒に仕事をするのが大事ってことで、二人に関してはまずはプロフェッショナルだったということが一番印象に強い。

「日の名残り」とはよく言ったものだと思います。
時代の移り変わりと共にご主人は不遇な立場に置かれ、自由が尊ばれる世の中になり執事業界はおそらく斜陽で、当の主人公が古い時代の生き残りのような年齢。
晴れ晴れとした良かった時代を振り返る彼は本当に日の名残り

でも新しいご主人はアメリカ人なんだよね。
本当なら新たな日の象徴のはずなんだけど、昇る日にどれだけ主人公は気持ちを新たにしてるのか。

いやほんと、「日の名残り」とはまさしくそのまんまの言葉ですね。




by teri-kan | 2019-08-09 00:00 | イギリス映画 | Comments(2)

「ミルドレッド・ピアース」(1945)

ジョーン・クロフォードがアカデミー賞主演女優賞を受賞した作品。
のっけから殺人シーンで始まって、「一体どんなミステリー映画?」って感じだったんだけど、ただのミステリーではなかった。
こんな内容の映画だとは思わなかった。
これはかなり辛い。

この映画、古い作品の割には昔っぽい邦題がついてなくて、日本人にはとっつきにくいと思います。
調べてみたら、昔テレビで放映された時は「深夜の銃声」とつけられていたそうで。
うん、それなら昔の洋画っぽい。
でも映画のテーマ的には主人公の名前そのものがピッタリ。

洋画に邦題をつける場合って、日本は原題を時に無視してインパクトや雰囲気重視でいったりするけど、洋画のタイトルはテーマそのものを表すものが多いと思います。
「ミルドレッド・ピアース」も主人公ミルドレッドという人を語る映画でした。
彼女の生まれ、彼女の人生、彼女の価値観。
そして彼女の人生を支配する彼女の娘は、ある意味彼女の本質を反映した女の子。
この娘がホント、ねえ……。
娘がああいう風に育っていく過程は、いやー、ホント辛いわ。
あれだけ自分の人生を切り開ける女性なのに、娘に対しては支配し支配され合う関係しか作れなかったんだなあ。



画面が美しい映画でした。
ジョーン・クロフォードが惚れ惚れするほど美しく、昔の映画はつくづく目にいいと感心しました。
美女が本当の美女だ。
最後は「そうだったのか」と納得もできる物語で、良い映画だったと思います。

あ、主人公のメイド役の黒人の子って、「風と共に去りぬ」でもスカーレットのメイドをやってましたよね?
声としゃべり方にすごく特徴があるので、顔をボーッと見ててもすぐに気づきます。
ちょっとうれしい気分になりました。




by teri-kan | 2019-08-07 00:00 | アメリカ映画 | Comments(0)

「冒険者たち」(1967)

内容はそのまま冒険者たち、あるいは青春たち。
若者のキラキラ感とワクワク感と危うさと儚さが描かれた冒険物語であり青春物語。

主演はアラン・ドロンとリノ・ヴァンチュラ、二人の女神にジョアンナ・シムカス。



今見てもいい映画なんだけど、公開当時はとても斬新でお洒落で多くの人を魅了した映画だったろうと思います。
飛行機のシーンもレーシングカーのシーンも良いし、洋上の船のシーンはホントに良い。
いい三人組なんですよ。
絶妙な関係性でしたね。

レティシアがマヌー(アラン・ドロン)に語っていたのが要塞の島に暮らす夢で、ローラン(リノ・ヴァンチュラ)に伝えていたのが彼への愛だったというのがねえ。
ローランが彼女の夢を知らないまま彼女の夢を叶えようとしていたというのが鍵だよね。
彼女の従兄弟の面倒を見てあげるローランからは、優しさと責任感と彼女への深い思いが伝わってくる。
ローランはホントに素敵。

マヌーは彼女を失った喪失感と夢(飛行機)のためにパリに戻るけど、でもローランのことがとても好き。
飛行機の飛ばし方がカッコつけててイカれてて、結局この性格が災いを招いちゃうんだけど、マヌーの若々しさは眩しいの一言だ。

いやー、アラン・ドロンの映画を見るたび思うんだけど、つくづくいい顔だしいい体だよね。
銃を撃つ姿が素敵ねえ。
アラン・ドロンとリノ・ヴァンチュラがスーツ着て並んだら全然カタギじゃなくて、そりゃレティシアのおじさんも警戒するだろうって感じ。
この濃い二人にキラキラのレティシアの組み合わせが良いんですよ。
青春はキラキラでとことん危うくて、そして儚いんだな。



久々にこの映画を見たんだけど、昔とちょっと印象が違ってました。
途中かなり忘れてたせいもあるんだけど、青春が遠くなってるからかなあ。
良い映画なのは変わりないんだけど、昔はもっと単純に見ていたような気がしますね。




by teri-kan | 2019-08-05 00:00 | フランス映画 | Comments(0)

「影の軍隊」(1969)

ナチス支配下のフランスにおけるレジスタンスの物語です。
主演はリノ・ヴァンチュラ。
監督は日本では「サムライ」が有名なジャン=ピエール・メルヴィル。



レジスタンスのお話と言っても具体的な工作活動とか破壊活動が見られるわけじゃなく、1942~43年だからナチスは圧倒的にフランスを支配してて、同志は次々と逮捕・拷問・処刑されていく状況です。

見るからに苦しい。
先の希望はまだまだ全く見えない。

そんな状況下でレジスタンス活動をする人達の気概というのが、言葉にするのが難しいんだけど、熱く燃えるというのでは全然なく、むしろ冷静、冷徹、淡々。
でも感情はある。
おそらくすべきことをするといった感覚なのだと思うけど、命がかかってるので時に恐ろしいほど苛烈になる。

特に裏切り・密告に対しては……内輪の処刑シーンは壮絶すぎた。
やられるのが年配者じゃないってのが、これまた。
若者には未来があるのに!といったこと、善の側のはずのレジスタンス闘士にも通用しない。
ナチスは明らかに悪だが、レジスタンスはレジスタンスで血も涙もない戦いをしている。

……といった感じの映画です。
確かにナチスが悪いんだけど、ナチスから受けるプレッシャーによるレジスタンス内の緊張感がハンパなくて、なんかもうずっと緊張してるって感じの、そんな映画。

監督のメルヴィルは実際にレジスタンス運動に参加した人で、この映画はそうであるからこその彼らの真実ではあるのでしょう。
エンターテイメントって感じまるでありません。
苦しい映画です。



リノ・ヴァンチュラは存在感がすごいですね。
個人的には「モンパルナスの灯」のえげつない画商が印象に強いですが、他にも警察の役とか、そういうプロフェッショナルの威厳や説得力を力強く表現できる俳優さんってイメージです。
あと、シモーヌ・シニョレが良かった。
ラストシーンは、いやあ、それしかないかあとは思うものの、レジスタンスは苦しい。

酷い時代でしたね。
ああいうことがありえた時代だったというのが本当に苦しいです。




by teri-kan | 2019-08-02 00:00 | フランス映画 | Comments(0)