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「あしながおじさん」

ジーン・ウェブスターの傑作児童文学。
先週BS-TBSの「林修・世界の名著」で取り上げられていました。
ゲストは阿木燿子。

テレビのチャンネル変えたらちょうど始まるところで、「あしながおじさん懐かしー」と思ってそのまま観てたのだけど、阿木燿子の作品に対する話がことごとく自分の受け止め方と同じだったので、なんかもう笑ってしまいました。

そうなんですよ、主人公のジュディになってしまうんですよ。
そうしてドキドキワクワクするのです。
あしながおじさんの正体が明かされるところも、ジュディの心が相手に伝わっていたことの安心感と喜びで胸がいっぱいになって、ホントまんま阿木燿子が語ってた気持ちと同じ気持ち。

林先生が自分を「汚れてる」と言ってしまうのも仕方ないというか、ああいう感情を抱けるのは少女の特権のような気がしますねえ。
林先生の見方はこちらからしてみればそれこそ新鮮で、あしながおじさんの正体がわかったのはいつか?なんてこと、そんな質問自体がありえない。
そんなのジュディと同じに決まってるじゃないですかー。
純粋な少女(笑)に何を聞いてるんだか。

阿木燿子と唯一違ってるところは、私は高校生以降はほとんど読まなくなったことかな。
それまでは何度も読み返しましたが。
二人の会話を聞いていて、ちょっと今からでも読み直したい気分になりました。
大人の目線でジュディとあしながおじさんとのやりとりを見てみたいかも。
ジャーヴィーぼっちゃんの見方はもしかしたら変わるかもしれませんね。

番組内でも言ってたけど、その年齢にふさわしい、読むべき本っていうのは確かにあって、「あしながおじさん」は小学生の女の子に是非読んでもらいたい本であります。
林修の大人の男性目線の感想もそれはそれで面白かったけど、やっぱりこれは女の子のための本。
まあ少年が読んでもいいかもしれませんが。
ていうか、男の子が読んだらどういう風に思うのかはちょっと気になるかも。
大人の感想は聞いたので、少年の感想が聞いてみたいかなあ。

とにかく、懐かしい気持ちにさせてくれた番組でした。
「あしながおじさん」はねえ、やっぱりいいですよねえ。




by teri-kan | 2015-06-29 10:22 | 本(小説) | Comments(0)

「愛よいま、風にかえれ」

「まんが家マリナ・シリーズ」という、昔々コバルト文庫から出されていた少女小説シリーズを知っている方、いらっしゃいますでしょうか。
漫画家のマリナが有能な美形に囲まれながら殺人事件を解決していくというストーリーで、作者は当時何本もコバルトにシリーズを抱えていた人気作家の藤本ひとみでした。

私はコバルト文庫を買ったことはないのですが、周囲に熱心な読者がいたため、いろいろと借りて読むことができました。結構忘れてるけど、久美沙織と氷室冴子は覚えてるし、藤本ひとみのはホントにたくさん読みました。

で、マリナ・シリーズの「愛よいま、風にかえれ」。

なぜ今これが出てくるかというと、シリーズで初めて読んだ作品というのもあるけど、数あるマリナが解決した事件の中でも、これは殺人に音楽が絡んでいるものだからです。
「さよならドビュッシー」を読みながら、「そういえば同じようにコンクールを目指す途中でいろいろと事件が起こるお話があったなあ」と、「愛よいま、風にかえれ」を唐突に思い出したからです。
そしてミステリーという部分においては、「さよならドビュッシー」よりも「マリナちゃん」の方がミステリーぽかったよなあとも。
音楽の表現という面では比較になりませんが、事件勃発→誰が犯人か?→ええ!あなたが犯人!? というミステリーの流れとしては、明らかにマリナの「愛よいま、風にかえれ」の方がそれっぽかったのです。

そんな風に急に思い出して、「ああ、そういえばそんなのあったなー懐かしー」となったわけですが、今から振り返ってみてもあのシリーズはよく出来てたと思うし、藤本ひとみはすごかったんだなあと感心。
思えばいろいろあのシリーズで勉強になったこともありましたしね。

「愛よいま、風にかえれ」は冒頭で拘置所が出てくるんだけど、そこで死刑についてちょっと触れられてるのが当時としてはとても新鮮だった記憶があります。
というより、死刑の是非について考えている人がいるということを知った最初だったかもしれない。それまでは死刑というのは「あるものだ」としか思っていなかったから、それ以外の考え方があるということ自体に驚いたような記憶が。

まあ、このマリナシリーズはわけあって死刑を考えることから逃れられないストーリーになっているのですが、まあそれはそれとして、男女問わず美形がたくさん出てくるのがこのシリーズの最大のいいところで、皆さん頭がよろしくていらっしゃるのも大変よろしい。
あまりストレスたまらないし、事件ものだからストーリーごとに最後はキッチリすっきりと終わる。
多分今読んでもかなり面白いんじゃないかと思います。

そうそう、三白眼を初めて知ったのもこのシリーズでした。
登場人物の一人が美形で三白眼だったので、三白眼の人は綺麗と勝手に想像していたら、実は三白眼だから綺麗というわけではないという……。あの目は人によって妖艶にも酷薄にも見えて、一筋縄ではいきそうにない目ですね。

うん、いろいろと昔(笑)を思い出します。
やっぱり若い頃の記憶って大きくて、音楽ミステリーと言われたらこれが一番に思い浮かぶんだから、マリナシリーズ恐るべしです。




by teri-kan | 2012-11-19 10:29 | 本(小説) | Comments(0)

「ブルボンの封印」

藤本ひとみの「鉄化面」物語。
ルイ14世双子説は楽しいですね。どのようにでもストーリーを膨らませられます。

内容は主人公の女性の出自の謎と恋愛を軸に繰り広げられるフランス王朝絵巻……って感じだったかな。ぐいぐい読めるし、彼女の作品らしくいい男がたくさん出てくるので、歴史物好きな乙女にはオススメだと思います。(宝塚で上演したくらいだから雰囲気は想像できると思います。)

最後の辻褄合わせが上手いこと出来ていて、「おおっ、こういう風にまとめたか」と感心しました。これは仕方ないと思えるというか、少なくとも本人の苦しみは小さくてすむかなと。
とはいえ酷い話ではあります。鉄仮面が存在していたという前提での話なので、どうしても誰かを仮面の中に押し込めなきゃならないから仕方ないんですが。


当時これを読んだ後「鉄仮面って知ってる?」と後輩に尋ねたところ、「鉄仮面は知らないけど銀仮面なら知っている」という答えが返ってきました。
銀仮面など初耳だったので詳しく聞いてみると、ある小説の登場人物なのだがとにかく面白い、恋愛ものではないが銀仮面もいい顔だからおそらく気に入るはずだ、少しだけでも読んでみたらどうか、みたいなことを言われて、彼女の薦めるままにその「銀仮面が登場する本」というものを借りてみました。

それが田中芳樹の「アルスラーン戦記」。


確かに仮面ものといえば仮面ものですが、さすがに鉄化面とは違うし、かといって話は確かに面白いし、結局「アルスラーン」はその後自分でも購入して新刊が出る度買い続けているのですが、時々こうして「ブルボンの封印」を思い出しては、変な気分になるのです。

「銀英伝」や「創竜伝」など田中芳樹を読みまくって随分楽しませてもらったものですが、それも全て「鉄仮面」から銀仮面をイメージしてくれた彼女のおかげだったなあと、今でもおかしくもありがたい気持ちになります。




by teri-kan | 2009-03-11 11:00 | 本(小説) | Comments(0)